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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「フィアーズ・オブ・ウォー」  評価★★ ベトナム戦争後に訪れた誤爆事件確執の融解
GOING BACK
2001
  アメリカ 監督:シドニー・J・フュリー
出演者:キャスパー・ヴァン・ディーン、ジェームズ・ウールヴェット、ボビー・ホセア、キャリー・オーティスほか
118分 カラー 
 
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 ベトナム戦争で起こった誤爆事件を巡って、深い確執を負ったままの米海兵隊元上官とその部下が、戦後にベ トナム入りして真実を解明しようとするアクション系ヒューマンドラマ。ジャーナリスト女性キャスリーンの仲介で両者の溝を埋めるべく、ベトナムの現地で事 件の再現を試みようとするもので、ヒューマンドラマ的な要素もあるが、回想シーンではベトナム戦争のリアルな戦闘シーンも描かれ、アクション性も高い。
 監督のシドニー・J・フェリーは、今や押しも押されぬB級映画名監督(笑)で、かつてスーパーマン4で失脚?してから、カナダを本拠地にミリタリー系ア クション映画を作っているが、本作はその端緒を切った作品とも言える。自己陶酔的な、感傷に入りすぎの独特の映像観と、とにかく下手くそな(笑)ブツ切り 編集が特徴なのだが、「アメリカン・ソルジャーズ(2005)」ではまずまずだったので、それなりに期待もしてみたが、結果はやっぱりムフフ・・・。

 とにかく、監督が何に酔っているのかは知らないが、彼の感傷が視聴者からぐんぐんと遊離していってしまうのだ。ベトナム人を殺してごめんなさい的な、 こっ恥ずかしくなるようなベタな展開なのに、全然引き込まれない。何故なんだろう(笑)。 
 それでも、彼の戦闘シーン描写は結構良い。アクション指導も十分だし、時代考証も悪くない。
登場 する兵器類は少なめで、ヘリのイロコイや装甲車、無反動砲搭載のジープが登場する程度だが、 戦闘シーンの映像割りも適度にスピーディだし、地下基地掃討戦や姿の見えないベトコンの恐怖感な ど、 リアル感は上出来の部類。、これだけ立派に戦闘シーンを描けるのだから、それに特化してしまえばいいのに、無用な感傷描写が思い切り邪魔してしまうのは もったいない。

 役者陣もちょっと手抜いているかなあという感じ。主役のラムジー大尉役のキャスパー・ヴァン・ディーンは、B級映画の常連俳優らしい。結構格好いい顔立 ちながら、著名作に恵まれない。確かに、本作でも妙にはずしちゃった感のあるオーラを醸し出しており、自分の魅力の出し方をちょっと勘違いしているのか な。
 相方の女性役は報道記者役のキャリー・オーティス。彼女は有名ファンションモデルだったそうだが、この作品以降出演がないようだ。正直スタイルは良いけ ど、顔立ちは角張っていて口が大きいし、ちょっと怖い。確かに女優としては使いにくいかもしれないなあ。この二人の存在感が強すぎて、見ている側は別世界 のようでちょっと引いてしまうかも知れない。
 他の役者陣も
テキサスの車販売員、刑務所の警備隊長、大学教授、牧師など、 個性的な配役ではあるのだけど、それがあまり生かされていない。どうせフィクションなんだから、もっと弾けたキャラクターでも良かったのでは。

 本作のストーリー自体も、設定が今ひとつ意味不明。何故、報道記者とカメラクルーが彼らの確執に目を付けたのか、現地での再現検証を誰が言い出したのか など、その必然性や現実味がとても薄い。学芸会的なノリで無理矢理こじつけた感が強い。また、現在
と ベトナム戦争当時 のフラッシュバックを多用しているが、これがまたウザい。戦闘シーンが卓越しているので、ベトナム戦争時は良いのだが、現代に戻ると一気にダラダラで見る 気が削がれてしまうのだ。 キャリー・オーティスのヌードシーンもあるのだが、ちょっと入れ所を間違ったかな。
 エンディングの映像と音楽はやたら力が入っている。スケール感のある映像と情緒たっぷりの音楽は、超大作の余韻を楽しむには最高の演出だが、本作で は・・・・ここだけ浮いてしまっている(笑)。

 アクション映画として見れば、回顧シーンだけはそこそこの出来。だが、ヒューマンドラマ部分は反戦的、平和的なメッセージはたくさん入っているけれど、 それらは余り心に響いてこないし、確執が解けたあとの友情も・・・・。それが
シドニー・J・フェリー監督の真骨頂なのだ(笑)。
 

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)


 1968年4月25日、南ベトナム共和国。アメリカ海兵隊のE中隊の進軍先にベトコ ンが潜んでおり、上空のヘリから連絡がある。ラムジー中隊長は反撃のために砲撃を要請するが、砲弾は味方の上に落ちてくる。軍曹らはラムジー中隊長を非難 するのだった。
 戦後しばらくの期間を経て、エコー中隊の生き残り兵、テックス(テキサスで車販売)、レッド(刑務所の警備隊長)、エリック(スタンフォード大学東洋言 語学教授)、ジミー・ジョー(警備コンサルタント)、レイ(愛の光伝道教会牧師)の5名が報道記者のキャスリーンとともに、ベトナム社会主義共和国のタ ン・ソン・ニャット国際空港に降り立つ。そこにラムジー大尉の姿はなかった。
 ラムジー大尉は交代で着任した中隊長で、前は高等戦術の教官だった。ベトコンの待ち伏せ包囲攻撃に的確に対応し、イントルーダーから燃料タンクを落下さ せて急場をしのぐなど、部下の信頼を集めていた。それだけに、あの事件で人が変わったと部下達は口を揃える。
 一行はホーチミン市でベトナム人の歓迎を受け、元人民革命軍のグエン大尉の挨拶ののち、代表者が挨拶をすることとなったが、そこにラムジー大尉がやって くる。キャスリーンが電話で連絡したのだ。不快感を隠さない部下達を横目にラムジーは平和の尊さを訴えるのだった。
 対立する両者にキャスリーンは、あの村で何が起こったかを話し合うべきと諭し、もう一度現地で再現しようと提案する。また、戦闘で行方不明になった衛生 兵の息子キース・ジョーダンも合流する。
 一行はベトコンの地下基地に連れて行かれる。そこにはたった3名の生き残りティーサイ元中尉(女性)が待っていた。当時掃討戦を行っていたラムジーらは ベトコンの地下トンネルに悩まされていた。トンネルを発見したラムジー大尉は内部に入る志願者を募るが、衛生兵のドッグが手を挙げる。しかし、ドッグは内 部に潜むベトコンの手投げ弾で負傷行方不明になってしまう。大尉とレイ軍曹は救出に向かい、内部の兵を掃討するが、地上ではベトコンの迫撃砲攻撃に曝され ていた。エリック伍長、レッド、テックスらは迫撃砲陣地を襲いほぼ全滅させるが、それはベトコンの女性部隊だった。若い女性を殺してしまった罪の意識に気 がおかしくなる彼らを、戻ってきたレイ軍曹がしかりとばす。しかし、そのレイ軍曹もただ1人生き残った若い女性兵を看護するのだった。それがティーサイ元 中尉で、ティーサイは感謝の言葉を述べる。
 次に一行はダナン市の元第2海兵隊司令部跡に向かう。そこには当時彼らが記したサインが残っており、行方不明になったキース・ドック・ジョーダンの文字 もあった。
 ラムジー大尉は次第に重い口を開き始める。戦争で一番酷かったのは、ベトコンとの銃撃戦後の司令官の言葉だった。一般の村を中佐がベトコン基地を決めつ け、ヘリで40体の民間人死体を落下させたのだ。ラムジー大尉は最高司令部に訴えるも、中佐は大統領とのコネで却下されたのだ。
 また、ラムジー大尉は、米軍のB−52爆撃機の200kgナパーム弾攻撃で死んだ北ベトナム軍大尉の日記を持ち帰っていた。アーク灯任務と呼ばれた爆撃 は、爆撃音が聞こえたときにはすでに遅く、そのままの姿で死んでいた。ラムジーはその日記に書かれていた妻のもとを訪れて日記を渡す。妻は感動し歌を歌っ てくれるのだった。
 なかなか真実を語らないラムジー大尉だったが、次第にキャスリーンに惹かれ始め、二人は愛し合う。
 1968年の1月30日、北ベトナム軍はテト攻勢に出る。市街戦に巻き込まれたラムジー大尉らは包囲されてしまう。無反動砲ジープで打開する。しかし、 ガニーやトップが戦死する。生き残ったベトコンの1人が民間人に紛れ込み、米軍の牧師を射殺。追跡したラムジーらは手榴弾を構えるベトコンに銃撃を加えて しまう。ラムジーは制止したが、仲間を殺された部下たちは民間人もろとも殺してしまったのだ。民間人虐殺によりラムジー大尉は指揮権を返上しようとする が、上官はそれを許さなかった。ラムジー大尉は民間人を撃たない方法もあったはずだと部下に言うが、部下達はベトナム人は皆敵だという気持ちが強く対立す る。部下達はこの時の恨みでわざと誤爆させたのではと疑っているのだ。
 事件の起きたトゥク・フォン村にやってくる。当時、そこでは南ベトナム軍少尉がベトコンの少女を拷問していた。ラムジー大尉はそれを阻止しようとする が、それを臆病風にふかれたと取る向きもあり、徐々に混乱が始まっていた。道路上の行軍を命じるラムジー大尉に対して、ついにレイ軍曹らが危険な命令だと して拒否。命令を無視して田んぼ道を進み始める。ラムジー大尉は軍法会議ものだと怒りながらも残った兵で道路上を進む。その時、上空のヘリからレイ軍曹ら の進む先にベトコンが潜んでいるとの連絡があり、ラムジー大尉らは大声で退却を命じるが、聞こえない。やむなくラムジー大尉は砲兵隊に砲撃を要請するが、 直後に南ベトナム軍少尉のいた村で爆発が起こり、焦った無線兵のテックスは誤った方位を伝えてしまう。砲弾はレイ軍曹らの上に降り注ぎ、チコ、シカゴと いった兵が戦死した。
 命令違反に怒ったラムジーがわざと味方の上に爆撃させたと思いこんでいた部下達は、テックスのミスだとようやくわかるが、既に現地で逆上していたジ ミー・ジョーはラムジーを射殺しようとする。銃弾はかばいに入ったレイに当たり、瀕死となる。ようやく事態をしったジミー・ジョーは泣き崩れ、自分のミス だと知ったテックスの狂乱する。だが、レイの命を救うため、ラムジーが一括し、ヘリの救援要請を頼む。
 レイはなんとか一命を取り留める。ジミー・ジョーは裁判を覚悟するが、皆なかったことにしようと口裏を合わせる。帰国する部下達を見送るラムジーが「マ リーン」と叫ぶと部下達は一斉に敬礼を返すのだった。


(2009/2/3)