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「シン・レッド・ライン」 評価★★★★★ 迫力十分。効果 映像に注目
The shin red line
2001 アメリカ 監督：テレンス・マリック
出演：ショーン・ペン、ジョージー・クルーニー、ジョン・トラボルタ、ベン・チャップリン、エリアス・コーティアスほか
171分 カラー1942年から43年にかけて行われた、日米のガダルカナル攻防戦における、米陸軍のライフルＣ（チャーリー）中隊が主役の映画。こうい う日本相手の映画は大体胸くそ悪くなるので見に行くのを少しためらったが、一応は見ておかなければということで見に行った。
ストーリーはガダルカナル島での激戦がメインなのだが、オープニングは予想を反したメラネシア系住民のゆったりとした生活や鳥などのゆっ たりとした映像から始まる。映画中の随所に見られる鳥や木々の自然の映像はいままでの映画にない妙なリアリズムと時間軸を感じさせる。なかなか激しい映像 中には有効な手法であると感じた。特に、鳥のひなの砲撃前と砲撃後の対比映像は自然界の営みに対する戦争の冒涜というものを浮き上がらせていると同時に、 映像には映らない他の場所での多くの死を想像させた。
当初の予想に反し、日本軍がそれなりに強く描かれている。と、同時に実際には弾が豊富ではなかっただろう日本軍の奮闘に目頭が熱くなったのであった。ま た、アメリカ軍にしても、臆病な者、無駄に叱りつける者、勇敢な者などが多彩に描かれており、一概に日本人には不愉快な作りにはなっていなかった。
戦闘シーンはかなりリアルで、210高地攻めのシーンは銃弾や迫撃砲などの炸 裂がすさまじい。また、斥候シーンの草のなびく静けさは嵐の前を予感させ緊張感がいやがおうにも盛り上がる。
山頂の日本軍陣地での白兵戦シーンでは、次々と日本兵が殺されていくのはどうも見るに耐えないが、「お前は死ぬんだ」というアメリカ兵に、「お前も死ぬ んだ」と言い返す日本兵は興味深い。
また、河川掃討戦シーンで、河の向こうからわらわらと沸いてくる日本兵の姿は見るも恐ろしい。アメリカ兵が怯える日本兵の影をうまくあらわしている。とにかく、この映画は、映像に着目だ。戦闘シーンのリアルさは最近の映画にはよくある程度だが、随所にちりばめられた効果映像は実に見事 だ。すでにあげたが、鳥のひなのシーン、山腹の草がなびいているシーン、現地人とすれ違うシーン、河川の奥から湧き出る日本兵のシーンなど。無音または自 然音のみにして効果を高めている。そういう意味では、自然界の音を効果的に採り入れたと言う点でも評価される。これまでの映画にない完成度と言えよう。プ ラーベートライアンを凌駕する出来といっても過言ではない。なのに、何故★が５つで特がついていないのか。それは、相手が日本軍だからです（笑）。
あと、どうでもいいが、ベル二等兵は愛妻家という設定で、映画中妙に何度もエロティックシーンが挿入されるのだが、あれは必要だろうか。 効果映像のひとつなのだろうが、日本人にはどうもなじめない。アメリカ人なら自然に受け入れるのだろうか。どうしてもいるというならもう少し違った表現で もいいのじゃないかと思ったのでした。まあ、あれはあれで一種の清涼剤なのかもしれないが。
( 2003/03/03)
興奮度★★★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★★★
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（以下あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい）
主役のチャーリー中隊は元は弁護士のスタロス大尉が中隊長を務める。野心家のトール大佐（連隊 長？：ちなみに師団長はジョントラボ ルタ演ずる准将）は、日本軍の陣地がある210高地を意地でも奪取せよと命令する。正面突破を命じられるチャーリー中隊だが、あまりの無謀さに部下思いの スタロス大尉は命令を無視する。しかし、トール大佐は指揮権を取り上げ、自ら決死の斥候突撃隊を編成する。副官のボッシュ大尉を隊長にし、ベル一等兵など の活躍でなんとか機銃陣地を奪取する。しかし、スタロス大尉は名誉除隊させられ、チャーリー中隊は混乱する。その後、新中隊長のもと、河川掃討戦で再度斥 候隊を出すが、仲間のミスで隊は窮地に立たされる。ウイット二等兵は自分を囮にして隊を助ける。
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