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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
ラスト・キャッスル 評価★★  不当弾圧に対する軍刑務所占拠
THE LAST CASTLE
2001 アメリカ 監督:ロッド・ルーリー
出演:ロバート・レッドフォード、ジェームズ・ガンドルフィーニ、マーク・ラファロほか  
132分 カラー
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 作戦の失敗で部下を死に追いやった罪で軍刑務所に収監された将軍が、軍刑務所の悪徳所長の横暴にもめげず、人間の尊厳を守るために立ち上がるといったアクションドラマ。いわゆる刑務所ものの映画で、ロバート・レッドフォードの熱演が前評判だった。だが、同じ刑務所ものの秀作「ショーシャンクの空に」「チェーン・ヒート」並みの出来を期待したが、2つも3つも格下といった感じ。

 確かにロバート・レッドフォード演じる中将の英雄的活躍は格好いいし、歯切れもいい。だが、脚本が単調で、結局盛り上がりのヤマは一つしかなく、思ったよりも意外性がない。本作がヒューマンドラマなのかアクションなのか中途半端で、どちらにしてもインパクトには欠けた印象。まあ、「ランボー」のようなヒーローものと思えば楽しめなくもないのだが、内容的には結構抑圧された社会悪をテーマに扱っているので、なかなかそうもいかないのだ。
 
 やはり、本作の最大の問題はストーリーの設定や背景にあるような気がする。こういうヒーローものにリアル性を求めてはいけないのだろうが、本作の場合妙に引っかかってしまったのだ。
 まず、伝説の英雄である中将が収監される経緯が何一つ描かれていないこと。作戦の失敗で軍法会議にかけられて有罪となったのだろうが、その罪が不当なのか妥当なのかわからないので、中将に対する思い入れが浅くなってしまった。
 次に、先に収監されていた囚人兵たちが、すぐに中将と迎合していったこと。もちろん軍人として崇拝するという点もあるのだろうが、そもそも犯罪を犯した軍人たちである。もっと荒くれの印象が欲しかった。確かに、中将が終日労働をクリアして皆の尊敬を勝ち取るシーンもあることはあるのだが、ちょっと陳腐だった。そんなにカリスマ性のある雰囲気には感じられなかったのだが。
 そして、極めつけは、所長大佐の不当弾圧に堪忍袋の緒が切れたという状況設定なのだが、所長の中将らに対する弾圧はそんなにひどいかなあという印象。確かに、所長は囚人兵を殺害させはしたが、単に職務に忠実なだけとも受けとれるし、ほかの映画に出てくる悪徳所長や看守に比べれば全然問題ない程度。むしろ、所長大佐がキレはじめたのは、中将が心ない言葉を言い放ったミスから発しているのだし、囚人兵としての軍規を守っていないのは中将側じゃないのかなとも感じた。映画を見ていて、ある程度押さえつけられるのが軍隊だろう?と逆に所長側の肩を持ちたくなる自分があった(笑)。
 このあたりは、人によって感じ方が異なるのだろうけど、私は妙にリアリティを阻害された感じがして、冷めてしまった。

 また、看守側と囚人の戦闘シーンも思ったほど面白くない。囚人側には武器がなく、投石機や火炎弾を用いるなど意外性はあったものの、迫力という点ではちょっと物足りない。しかも、看守側はゴム弾や催涙弾などを用いて殺す気はないのに、中将たちは見張り塔を破壊したり、炎上させたりと、軍の持ち物である施設を破壊しまくり。抵抗はするけど殺し合いはしないという、何とも中途半端で歯切れの悪いアクションシーンはどうかなあ。そもそも、中将はどんな状態(レベル)を目的に反乱しようとしたのか、ラストのシーンを見ても今ひとつピンとこなかった。

 もちろん、ストーリーの中には感動的なエピソードやシーンもあったので、しっかり脚本を練り直して欲しいところ。ちなみに、DVDには監督の製作コメント挿入バーションもある。それによれば、役者に対する思い入れや起用法、映像への固執ばかりが強すぎる感じで、視聴者への配慮という点ではあんまり考慮されていないのかなと感じた。
 ちょっと酷評しすぎたけど、まあ娯楽モノとすれば楽しめなくもない。私は妙に引っかかるものがあって・・・(汗)。

興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 作戦の失敗(大統領命令違反)で有罪となった伝説の英雄アーウイン陸軍中将が、ウインター大佐が所長を務める軍刑務所に入所する。ウインター大佐は当初英雄に敬意を表するが、中将が大佐のコレクションを「実戦経験のないものがやることだ」とけなすのを聞いてしまい、敵意を示し始める。もともと、厳しい管理で囚人を統制する大佐であり、次第に中将を始めとする囚人たちと険悪な関係になる。中将と懇意になった元海兵隊伍長が大佐に殺害されたことを契機に、ついに囚人達は軍人の尊厳を守るため、中将の指揮下のもと刑務所占拠をもくろむ。

(2004/05/26 2009/2/3修正)