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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「チェ・ゲバラ&カストロ  評価★★ フィデル・カストロの半生ドラマ
Fidel and Che
2002
  アメリカ 監督:デヴィッド・アットウッド
出演者:ビクトル・フーゴ・マルティン、ガエル・ガルシア・ベルナル、パトリシア・ヴェラスケスほか
120分 カラー 

 
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 キューバ革命、キューバ建国の礎となった前評議会議長フィデル・カストロの半生を追ったドキュメンタリー風ドラマ。テレビムービーで、日本版は120分 だが、原版は206分という長尺もののようだ。邦題ではチェ・ゲバラが先に書かれているが、内容的にはフィデル・カストロを主としたもので、ゲバラは副次 的な出演に留まる。既にいくつものカストロやゲバラに関する映画は製作されているが、本作はその中でも最も長い期間を表現した作品のうちに入る。特に、バ ティスタの軍事クーデーター、モンカダ兵営襲撃から描かれているのが新鮮で、1970年代のキューバ人亡命増加あたりまでを描いている。一応史実に沿って 作られてはいるが、冒頭に「創作の登場人物や話しもある」と出てくるので、細かい設定等はフィクションも入っているようだ。

 局所的な描写の映画が多い中、カストロの半生を長く追った作品として、その全容を知る上で貴重な作品ではあるが、何分内容が多すぎて、特に後半はかなり 飛ばし気味の映画となった。キューバ革命成功までは比較的しっかりとした描写だったが、その後のアメリカ、ソヴィエトとの確執、協力といった部分はかなり 端折られており、断片的なものになってしまったのが残念。元々は206分だったものを120分にしたために、後半のかなりの部分を削ってしまった結果なの だろう。従って、映画の厚みという点では欠け、興味の薄い人には後半は苦痛になるかも知れない。後に「モーターサイクル・ダイアリーズ(2003)」でも演じるガエル・ガルシア・ベルナルのチェ・ゲバラも、おま け程度でしかない。主演のフィデル役ビクトル・フーゴ・マルティンはなかなかの好演。でも、フィデルは身振りが派手なので、結構演じやすい役なのかも知れ ないが。
 とはいえ、他作品にはない描写も多く、貴重であることは間違いない。フィデル・カストロの女性関係にもしっかりと触れており、最初の妻ラファエル・ミル タとの恋、再婚相手のナタリー・レベルタをはじめ、革命同志のアイデ・サンタマリアやセリア・サンチェスなどの描写も詳しい。また、ラプラタ兵営襲撃時の 農村警備隊員チチョ・オソリア殺害、NYタイムズ記者マシューズの入山、ウベルト・マトスの逮捕劇などもなかなか興味深かった。

 どのあたりがフィクションだったのか、今ひとつわからなかったが、全般に史実に忠実だったように感じた。他作品と被る部分も多いが、この作品もちょっと 違った視点という意味で見ると面白いだろう。ちなみに、当作品もアメリカ製作ということで、キューバ経済崩壊、キューバ難民といった場面でエンディングを 迎える。カストロの革命への熱意というものを強く感じることは出来たが、結局は迷走したのだという印象を強く持つ。
 どうせなら完全版を見てみたい。4話構成ぐらいに分割して上映していれば、テレビムービーとしては大作の部類にはいるだろう。


     

興奮度★★★
沈痛度★★

爽快度★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  1949年のハバナ。弁護士のフィデル・カストロはキューバ独立の英雄ホセ・マルティの銅像に小便をかける米兵をみて激怒する。これに抗議したキューバ人 はアメリカ大使館に詰め寄るが、ここでフィデルは雄弁をふるう。そこで出会った裕福なディアス家のミルタと出会い、結婚し息子フェデリトが生まれる。
 フィデルが支持するアルトドクソ党のチバス上院議員は、政府の悪事を暴こうとするが、証拠が届かず自殺未遂を起こす。フィデル・カストロはその意志を継 いで、政治活動に手を染めていき、議員立候補にまでこぎつけるが、その直前の1952年3月10日、プリオ大統領が亡命し、バティスタが軍事クーデターを 起こす。
 フィデルは警察に追われる身となり、隠れ家を転々とするが、そこでナタリー・レベルタと出会い恋に落ちる。フィデルは無武装蜂起を計画しモンカダ兵営襲 撃を実行する。
 7月26日、フィデルらは3番ゲートから侵入し、アベル、アイデら22名が病院を占拠する。しかし、政府軍によって反撃され、フィデルはなんとか脱出す るも、多くが捕らえられ処刑されてしまう。看護婦に化けたアイデ・サンタマリアは兄の目の玉をくり出されるなど拷問を受ける。フィデルは山に逃げ込むが包 囲され捕らえられる。
 ピノス島に監禁されたフィデルは獄内から声明を発表し、国内の人気を得るようになる。これに手を焼いたバティスタはフィデルを釈放し、フィデルはメキシ コに亡命する。ナタリーはフィデルの子を宿す。
 メキシコでフィデルはチェ・ゲバラと会い、革命軍を組織して訓練する。1956年11月25日、82名の兵はメキシコを出発し、12月2日にラス・コロ ラダスに上陸する。バティスタ軍の襲撃で多くが命を落とすが、フィデルやラウル、ゲバラは生き残った。報道ではペドロ・アビラ将軍の軍がゲリラを全滅させ たと報じるが、山ではギジェルモ・ガルシアらと会い、セリア・サンチェスの軍と合流することが出来る。
 フィデルらはラプラタ兵営を襲撃し、悪名高い農村警備隊員チチョ・オソリアを殺害する。また、生きていることを示すため、NYタイムズ記者マシューズに 記事を書かせる。都市部の共産党や地下組織とも連携を取るようになり、兵器はマトスが提供するようになる。
 いよいよ都市部での戦いとなり、ゲバラが装甲列車を破壊してサンタクララを占領。カミラはラスビリャスに入る。カストロ軍はサンチアゴににまで迫り、 CIAからの支援を打ち切られたバティスタは亡命する。
 1959年1月7日、カストロは演説で民衆の支持を集める。家賃を半額にし、農地改革法を制定し、学校や病院を設立することを約束する。一方で、ゲバラ やラウルを中心に、旧バティスタ派を次々に処刑していく。また、共産党員を支配下に置き、フィデルのやりかたに不満を漏らす盟友マトス少佐を反逆罪で逮捕 する。マトスは20年の刑に服する。
 フィデルはソヴィエトのフルシチョフとも接近を始め、国交回復、貿易博覧会の開催を通じて、アメリカの侵攻に対処していく。アメリカは1961年4月 19日にビッグス湾事件を起こすが失敗。フィデルはソヴィエトの核ミサイル基地をキューバ国内に建設させる。このことがばれ、キューバ危機が発生するが、 フルシチョフはミサイルを撤退させ、フィデルはソヴィエトへの不信感を募らせる。
 1965年2月25日、アルジェリアでのチェ・ゲバラの演説はソヴィエトに不快感を与え、チェ・ゲバラは職を辞して革命闘争に下っていく。ボリビアに 渡ったチェ・ゲバラは政府軍に捕まって処刑される。
 アメリカの液剤封鎖、ソヴィエトとの距離によりキューバ経済は崩壊し、3人に1人しか生き残れないにもかかわらず、海を渡ってのキューバ亡命者が激増す る。しかし、CIAの暗殺計画などにも関わらず、フィデルは生きているのだった。
 元妻のミルタ・マドリードは再婚してマドリードに住む。息子のフェデリトはキューバに戻った。ナタリーはハバナでフィデルを支え、娘はスペインに亡命し た。マトスは釈放されマイアミで反カストロ運動の中心となる。カミロは事故死し、アイデ・サンタマリアはしばらく政権を支えるが、1980年7月26日、 失望して自殺を図った。


(2009/01/20)