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戦争映画の一方的評論
 
「戦場のピアニスト」 評価★★★★ ヒュー マンドラマと言うよ りはサバイバルゲームかな
2003 ポーランド・フランス 監督:ロマン・ポランスキー
出演:エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマンほか  
ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/148分 第55回カンヌ国際映画祭パルムドール(最優秀作品賞)受賞

 2003年の大作品として前評判が高かったこの作品。実在の人物ポーランド在住のユダヤ人ピアニスト、シュピルマンのドイツ占領下ワ ルシャワでの出来事をまとめた手記が原作となっている。また、監督のロマン・ポランスキー自身がポーランド人でゲットーで母を亡くすなど、ワルシャワの戦 乱を経験している。それだけに、セットやパルチザン活動、市民の虐殺などにはかなりのリアルさを要求したとのことである。大いに期待を寄せるところでもあ る。

 戦争映画として見た場合、史実をもとに忠実に作成されているだけあって、不自然な点は少ない。しかし、戦闘シーンを目的に作られているわけではないので 物足りないと言えば物足りない。面白かったのは、ドイツ軍戦車がシュピルマンのいる建物を砲撃するが、至近弾のあと効果音で耳鳴りを表現しているところ。 逆に、殺戮シーンが多いのが気になった。ドイツ兵の市民の無差別殺害シーンは、映画中至る所に出てくる。理由などなく、いつ殺されてもおかしくない緊迫感 が絶えずついてまわる。それが、映画の最後まで緊張感をつなぎとめてはいるのだが、何人が頭や腹を打ち抜かれて殺されただろう。史実は膨大な数の殺戮が行 われたであろうが、現代の我々には映画中の人数だけでも衝撃的である。殺される理由のない死。戦闘シーンで死ぬよりも後味の悪い死である。これが、戦争だ ということを嫌と言うほど実感させられる。心臓の弱い人にはあまりお勧めできないということで、評価点は★★★★となった。このほか、殺戮シーンで印象的 だったのは野戦病院前で女性が撃たれて死ぬ場面で、後ろから腹を撃たれて倒れるが、ひざを折って前屈みに倒れる。腰が高くもりあがったままの姿勢で死んで おり、なんともぶざまな倒れ方で、この後何度もその姿が映し出される。この倒れ方は監督が当時自ら目撃したシーンらしく、何度も女優に「実際はかっこよく 倒れることなどない」と演技指導したほどこだわりのシーンらしい。見ればどこかがすぐわかるはずだ。
 この映画のもうひとつの注目点はサバイバルである。とにかく何週間も何ヶ月も隠れていなければならない。食料も水も廃墟から危険をかいくぐって調達しな ければならない。ドイツ兵に見つかったらおしまいである。寝るところにも注意が必要だ。いわゆるサバイバルなシーンがとても多い。映画中、見ているこちら も、自分ならどうすべきか、生き延びるにはどうしたらいいのかということを思わず考えてしまったほどだ。ただ、限られた映像時間であり、実際には約2年間 に及ぶ逃亡なのだがその長期間のサバイバルな状態を必ずしも現し切れていないのが残念だ。特に、後半はドイツ軍大尉に見つかる直前の缶詰を開けようとして いるあたりは極限の飢餓状態にあると思われる。主役のエイドリアン・ブロディは役作りで14kgも減量したとか。とにかく、見ていて腹が減る映画であっ た。
 全体として、ストーリーは当然と言えば当然だがしっかりしているし、ヒューマンドラマとしても十分評価できる。戦争映画としても忠実性という観点では合 格点。ワルシャワ蜂起やポーランドレジスタンスを扱った映画はいろいろあるが、一市民のワルシャワサバイバルを描いたものとしてとても斬新なものだった。
 腹の減っている時に見るとより一層リアルかも。
(2003/02/23)

興奮度★★★★
沈痛度★★★★★(ハングリー度)
爽快度★★
感涙度★★★

 原作本 

ザ・ピアニスト廃墟ワルシャワからの奇跡の生還 ザ・ピアニスト廃墟ワルシャワからの奇跡の生還

著者:ウワディスワフ・シュピルマン / 佐藤泰一
出版社:春秋社
本体価格:2,000円


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  (以下あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 ストーリーは1939年のドイツ軍のポーランド侵攻にはじまる。ポーランドの都市ワル シャワの放送局で演奏するピアニストのシュピルマンは、演奏中ドイ ツ軍の砲撃に合う。まもなくポーランドはドイツの支配下に置かれ、ヒトラーの「ユダヤ人隔離(のちに抹殺)計画」のもとユダヤ人はワルシャワの一角のゲッ トーと呼ばれる居住区に移住させられる。ゲットーではユダヤ人が貧しい生活を余儀なくされ、餓死やドイツ兵やユダヤ人警察による虐殺が続く。そのうち、つ いに大部分のユダヤ人が列車に乗せられ、帰り切符のない「死の収容所」へと送られていく。シュピルマン一家も例外でなく、シュピルマン一人が鼻持ちならな いユダヤ人警察の友人ヘラーに助けられ生き逃れる。
 その後、ユダヤ人労働グループに属するが使えない者はすぐに射殺される世界である。ついに、1943年2月、地下組織で蜂起をもくろくマヨレクに頼み、 ポーランド人の友人宅へ逃げることに成功する。しばらくは、隠れ家に隠れ、食料を運んでもらっているが、次第にポーランド人にもドイツの手がまわりはじ め、ついには頼る相手がいなくなる。ユダヤ人の蜂起、ポーランド人の蜂起が続くが、ドイツ軍に鎮圧される。そんな中をシュピルマンは単身で、瓦礫の廃墟を 漂い生き延びる。
 ついに、ある家でドイツ軍のホーゼンフェルト大尉に見つかってしまう。しかし、大尉は彼を始末することなくピアノを弾かせる。そして、ソビエト軍が侵攻 し、ドイツ軍は撤退する。

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