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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「72M 評価★★☆ 黒海艦隊、北方艦隊総出演?ロシア海軍がいっぱい。
72METRA 72METERS
2004  ロシア 監督:ウラディミール・ホチネンコ
出演者:セルゲイ・マコヴェツキー、マラト・バーシャーロフ ほか
100分 カラー 

   
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 ソヴィエト海軍からウクライナ等が独立し、ロシア海軍となってからの潜水艦部隊を題材にした、ヒューマン系アクション映画。ロシア海軍の演習中に、潜水艦に事故が発生し、潜水艦乗組員らが対処していくというアクションに、ラブロマンス、友情が絡んでくるというもの。
 単に物語を展開させるだけでなく、自然風景や抽象的事象を取り込む、ソヴィエト芸術記録映画の系譜は健在。どうもこの監督は動物好きなようで(笑)、本作にはカモメ、金魚、牛などが準主役級(笑)として頻繁に登場する。自然生物を取り入れることで、人間界の狭量さや身勝手さをクローズアップさせる意図があるのだろう。ただ、どうみてもコミカルであり、シリアスなストーリー展開の上では、いささかマッチしていないような気はするのだが。 
 そもそも、近年のロシア(ソヴェエト)映画のパターンはコメディ、シリアス、ラブロマンスを全て取り込む傾向が強いのだが、本作もまさにその通り。また、きっとロシア人は爆笑するのだろうが、登場するロシアギャク?はかなり濃いし、お下劣なのが多いので、日本人には馴染みにくいかも。そういう意味では、ロシア映画というのは日本人の感性にはあまり合っていない様な気がする。

 潜水艦アクション映画としてのストーリー自体は、事故で着底してしまった潜水艦からの脱出、というありきたりの展開ながらも、それなりに面白く、手に汗握るシーンも多い。だが、いただけないのはラブロマンスシーンと家族愛の回顧シーン。決してあってはいけないとは思わないが、挿入タイミングとシーンの長さのバランスが悪い。ダラダラ続くので、それまでの緊迫感が一気に途切れてしまうし、映画に集中できない。この辺りのシナリオ製作、編集技術というものはいかにもロシア的と感じる。
 また、閉じこめられた艦内のロシア海軍水兵の冷静沈着さが気にはなる。一応、もう少しパニックぐらいは起こして欲しいなあ(笑)。
 しかし、何と言っても、ラストシーンの終わり方・・・・。すんごく気になる!。いや、本当にこの終わり方でいいのだろうか。それまでの潜水艦から脱出できるのか、という極度の緊張感を引きずりながら・・・・。その緊張感の納め場所が(笑)。ちょっとフラストレーション溜まるかも。

 映像的には、やはり潜水艦シーンが一つの見所となっているが、内部の映像が断片的で、迫力やリアル感という意味ではたいしたことない。
 ただ、本作で凄いのはロシア海軍全面協力だったのか、登場する航空機、艦船がてんこ盛りな所。これでもかと言うぐらいにロシア海軍の艦艇類が登場するのは、本当に珍しいし興味深い。どこかの使い回し映像かも知れないけれど、十分見応えあるのだ。
 まず、主役の潜水艦はキロ級通常動力潜水艦。最新鋭ではないけれど、いまだ現役の潜水艦だ。同型のものが数隻停泊しているシーンも見られる。
 演習に登場する水上艦艇では、キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦(ピョートル・ヴィェリーキイ 099)、スラヴァ級ミサイル巡洋艦(モスクワ 121、マーシャル・ウスチノフ 055)、ウダロイ級駆逐艦(650など)など黒海艦隊、北方艦隊旗艦級のそうそうたる艦が見られる。艦番が記されているので、艦が特定できる。いずれも、本映画のために撮影されたものと思われるが、凄いのはキーロフ級巡洋艦の対潜ミサイル発射シーンがあるところ。輸送船のような船体から対潜ミサイルが飛び出していくという、実にレアな映像を見ることができ、いわゆるミリタリードキュメンタリーとしても十分価値がある。
 航空機では、巡洋艦搭載のKa-27ヘリックスヘリコプター、Il38メイ対潜哨戒機の実飛行シーンが見られる。
 潜水艦の水中シーンは、ミニチュア模型を使用しているのだと思うが、結構リアルに出来ている。映像が暗いことで誤魔化してはいるのだろうが、本物を見ているかと錯覚するほどだ。 

 この他興味深かったのは、何気なくウクライナ海軍とロシア海軍の確執が描かれていたりして、ロシア人、ウクライナ人の民族的反発心が根強いのだということがわかるし、ウクライナ独立にあたり、どうやって海軍兵力及び人員を分離したのかかが、少しわかったような気がする。

 全体に、ストーリー展開の流れに問題を感じるが、潜水艦アクションとしては平均点は与えられそうだ。でも、何度も言うようだがラストシーンは・・・あれでいいのか(笑)。

公式サイト 72M

興奮度★★★★
沈痛度★★★

爽快度★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)


 ロシア海軍の潜水艦「スラヴガール」の艦長はヤニーチャ大佐で、海軍の演習のために乗員を召集する。一人でも遅れれば連帯責任と言われ、モロドイ水兵は航海長ピョートル・アルロフ大尉を捜しに行く。ようやく営倉で探し当てたモロドイだが、アルロフ大尉は車で通りかかった第一区画長イワン大尉の車に乗らない。期限ギリギリで戻ったアルロフ大尉にヤニーチャ大佐は笑って迎え入れる。
 今回の演習は、水上艦隊の旗艦を撃沈し、24時間隠れきるというもので、宇宙医学研究所から派遣された医者クラウスを乗せて出港する。クラウスは水兵に憧れており、初めての乗艦だったが、ノルウェーのゴム製女性人形を探してこいとからかわれる。また、ニコライ准尉からはイヤリングを買わないかと誘われる。
 アルロフ大尉は、中尉時代に親友だったイワン中尉と女性ネリーを奪い合った経緯があった。ネリーはイワンと結婚を約束していたが、アルロフが奪い取ったため、二人の仲は決して良いものではなかった。
 潜水艦からの旗艦攻撃は成功したが、潜航中に第二次大戦時の機雷に接触し、潜水艦は72mの海底に座礁してしまう。浸水により艦長をはじめ多くの水兵が水死。アルロフ大尉とクラウス、モロドイ水兵の3名が生き残る。3人は浸水した艦内を潜りながら第一区画に到達すると、第一区画には多くの乗員が生き残っていることがわかる。第一区画長のイワン大尉は、3人が生きていることを知り、危険を押して気圧を高めて防水扉を開き、第一区画に救出する。
 一方、水上では作戦時間が終わったにも関わらず、音信不通の潜水艦の安否を気遣うが、情報がない。アルロフ大尉の妻となったネリーは3人目の子供を身ごもっており、心配していた。
 イワン大尉は潜水具を装着し、魚雷管を通って脱出することを計画する。しかし、潜水具は12個なのに対し乗員は13名いた。アルロフ大尉は自分が残ると言うが、イワン大尉も自分が残ると言う。ところが、潜水具のうち11個は壊れていた。潜水具管理担当のニコライ准尉が、浮気した妻の気持ちを取り戻すため借金のかたに新品を売り飛ばしていたのだ。クラウス准尉は自殺しようとするが、イワン大尉に制止される。
 残された道は1名が海上に浮上し、救援を呼ぶしかない。その1名に唯一の民間人であるクラウスが選ばれた。クラウスは魚雷管を通って海上に浮上する。そこから走って街に向かうのだった。


(2008/03/14)