(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
1943年9月8日、イタリアは連合軍と休戦協定を結んだ。ギリシャのケファロニア島に駐留していたイタリア兵たちは、降伏という敗北感よりもこれで国に帰れるという喜びに沸いた。トラックの運転手サベリオ・ブラスコ軍曹(ル
カ・ジンガレッティ)は、島のカフェサンマルコの美人オーナーのフェリア(ルイザ・ラニエリ)に恋しており、帰国をやや残念に思っている。フェリアは同じ
イタリア人の夫ミケーレが島を出てから娘のエレナ(ジャスミン・トリンカ)を女手一つで育ててきた。フェレナもまたサベリオに恋をし始めていた。
ところが、島には11,000名のイタリア兵(アクイ隊)のほか1,000名のドイツ軍がいた。彼らはイタリア軍に、共に連合軍と戦うか、ドイツ軍に降
伏するか、ドイツ軍と戦うかの三択を迫っていた。イタリア軍の指揮官ガンディン将軍は、兵をイタリアに無事に帰したいと願い、南の峠からの撤退を試みる
が、ドイツ軍との交渉はなかなかうまく進まない。9月13日になり約束を破ってドイツ軍の上陸用舟艇がやってくる。それを見たイタリア軍の峠の砲兵中隊は
攻撃を仕掛けて撃沈してしまう。あわてたガンディン将軍やフェレッティ大佐はグアルティエーリ中尉とサベリオ軍曹に峠の砲兵中隊へ連絡に行かせる。しか
し、グアルティエーリ中尉も砲兵中隊も確信犯であり、ドイツ軍への抗戦を決意していた。下士官、兵らもこれに同調し、ドイツ軍に決断を迫られていたガン
ディン将軍も抗戦を決意する。
すぐさま、ドイツ軍はスツーカ爆撃機の攻撃を開始。またたく間に負傷兵が増えていく。病院が破壊され、フェリアの家が野戦病院となる。フェレアもエレナも
イタリア軍モレノ軍医少佐(ヴァレリオ・マスタンドレア)のもとで働く。なけなしの船で本国に救援を要請するが、本国司令部からはつれない返事が返ってく
る。
敵の攻勢により81部隊が壊滅的打撃を受け、さらにグアルティエーリ中尉やエレナの恋人ニコラのいる峠の砲兵中隊と連絡がとれなくなってしまう。そこ
で、サベリオは裏道を通って砲兵中隊への連絡に向かう。到達した砲兵中隊は中尉以下わすがしか生き残っておらず、しかもニコラは重傷を負っていた。中尉と
サベリオらは迫るドイツ軍から撤退し、途中の村で共産パルチザンの医者ラオリスのもとにニコラを預ける。サベリオらはドイツ軍が山岳部隊を投入して挟み撃
ちを狙っていることを知り、司令部への報告を試みる。連絡のつかない司令部へはマラソン好きのタンクレディが40kmを4時間で走っていくことにする。一
方、残ったサベリオらは捕まったイタリア兵捕虜が、ドイツ軍ランダウアー大尉の命令で虐殺される現場を目撃する。その中で一人ラコンボがドイツ軍に寝返る
のだが、彼とて四人の子供のもとに生きて帰りたい一心からであった。
サベリオらはドイツ軍から装甲車を奪取するも、サベリオ以外はドイツ軍の捕虜になってしまう。サベリオは装甲車で一路司令部のもとに向かう。司令部に着
くがすでに撤退した後でありもぬけの殻であった。そして、走り尽くして瀕死のタンクレディの姿があった。何の役にもならなかったタンクレディが死んでい
く。サベリオは一人フェリアの元に潜伏するが、侵攻してきたドイツ軍に捕まってしまう。また、リボリオ神父、モレノ軍医も同様に連行され、エレナは瀕死の
ニコラのもとに行ってしまう。
島はドイツ軍の支配下となり、サベリオらは捕虜として収容された。ある日、イタリア軍の士官だけが集められトラックに乗せられる。サベリオは運転手に命
じられ、カーザロックと呼ばれる地区まで運転していく。そこで、ドイツ軍のランダウアー大尉はマイヤー中尉にイタリア兵士官の処刑を命じる。もともと、サ
ベリオらと親交の深かったマイヤー中尉は命令に不服を感じるが、従わねば銃殺すると脅されて処刑を実行せざるを得ない。
イタリア兵らはドイツに対する裏切り行為として処罰されるが、ドイツ語圏で生まれた者とファシスト党員は恩赦が与えられる。しかし、フェレッティ大佐も
少佐も党員でありながら恩赦を受け入れず、最初に処刑されることを申し出る。四人ずつ処刑されていく士官らから、サベリオは遺言や遺品を託される。恐怖に
おののく者には神父が声をかけ、士官でないゼニーノはまだうら若いグアルティエーリ中尉の供として処刑場へ向かうのだった。このような現状にもはや耐えき
れなくなったサベリオはリボリオ神父とともに、マイヤー中尉に中止を頼み込む。その甲斐あって処刑は中止になるが、サベリオもリボリオ神父も深い心の傷を
負うのだった。
12月24日、イタリアの数千の捕虜は二隻に分けて出航。残りは配置強化に使われることとなる。そんな中、イタリア軍大尉がパルチザンと連携してドイツ
軍との抗戦を提案する。早速、サベリオは海岸に埋められた海軍司令部の無線機を掘り出して来る。パルチザンの暗号を手に入れ、連合軍の三名が調査のため上
陸してくることを確認する。
やってきたのは英軍の大佐、アリスター軍曹、そしてミケーレ伍長の3名だった。上陸に際し、ドイツ軍に協力していたラコンボがドイツ軍の待ち伏せ情報を
伝えに来る。そのラコンボは情報を売った罪でランダウアーに射殺されてしまう。英軍のミケーレ伍長はフェリアの夫であり、フェリアとの再会を願った。サベ
リオはミケーレをフェリアのもとに案内し、フェリアから身を引くことを決心する。また、ミケーレは娘エレナと再会する。エレナはニコラの子を妊娠してい
た。
1944年8月、ついに連合軍上陸作戦の情報が入る。イタリア兵はパルチザンと協力して蜂起の準備を進める。そして9月8日、イタリア軍は武装蜂起し、ドイツ兵を襲撃する。蜂起は成功したが、オレステが戦死。ドイツ軍のマイヤー中尉は呆然としている所を捕らえられる。
戦いが終わり、エレナはニコラの子を無事出産する。イタリア兵らはイタリアへ帰還することとなるが、フェリアはサベリオと一緒にイタリアへ帰ると伝えるのだった。
(2006/10/07)
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