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戦争映画の一方的評論
 
戦革機銃隊1945」 評価★★★ 米軍脱走 兵が見た戦争の闇
Straight Into Darkness
2005 アメリカ  監督:ジェフ・バー
出演者:デヴィッド・ワーナー、ライアン・フランシス、スコット・マクドナルド、
ほか
95分 カラー 

 

  第二次世界大戦時のフランスを舞台にした映画だが・・・なんと表現して良いのか悩む。戦争映画ではあるが、シリアス、アクション、コメディ、メロドラマの いずれでもない。あえて言うならばカルトファンタジーかショッキングホラーか。脱走兵、人食い神父、障害児、敗残兵など、物語の設定や登場人物全てに厭世 的、風刺的な色合い が強い。シリアスな流れの中にフラッシュバックを多用した幻想的、抽象的な映像を盛り込み、ファンタジー的な雰囲気を出したかと思うと、一転して残酷グロ なショッキング映像になる。加えて、登場人物のほとんどが弱者という設定のため、悲しく悲壮な場面も多い。登場人物は比較的寡黙だが、話す会話の内容は象 徴的で重みがある。従って、場面場面で製作者が何を意図しているのかを探るのも大変で、見ている方も混乱してきてかなり疲れる映画だ。1回見たらもう結構 だ。
 抽象的で幻想的な作品と言うことで、背景となる設定等についてはさほど気にしていないようだ。明確にフランスとは言っていないが西ヨーロッパ戦線という ことらしい。主人公の脱走アメリカ兵は二名で、ロージーは第82空挺師団の所属。単に厭戦的脱走ではなく彼の持つトラウマが本作の主題に大きく関わってく る。もう一人のデミングは唯一暴力的な男だが、ひ弱なロージーとの対比バランスが良くできている。
 もう一つの主人公たちは障害児、孤児らの子供達である。とにかく 衝撃的な風体に加え、彼らの行動パターンは表現しきれない恐怖と衝撃を与える。彼らの指導者が言う「授けたのは存在意義(アイデンティティ)と家族だ。あ の子たちにとって戦争はゲームにすぎない」。はじめは見ている側の感情が凍り付いていく。その感情が溶けていく過程が本作の見所 でもある。戦争を考えさせるという次元ではなく、人間とは何かを深く考えさせる映画であった。ただ、死んでいく子供のうめき声など表現が余りに衝撃的過ぎ るのが見ていてつらい。
 地雷シーンや銃撃戦シーンはそこそこ。決してチープではないが、唯一登場する戦車がいただけない。ドイツ軍のティーガーをイメージしていると思われる が、四角い砲塔はどう見てもブリキの箱。もう少しなんとかならなかったのか。母体となっているのはT−54あたりらしい。というのも、ルーマニアロケだっ たらしいのだ。
 しかし、邦題の「戦革機銃隊」はないだろう。タイトルの意味もわからなければ、内容にも全然あってない。原題のStraight Into Darknessならばかなりイメージにあっているのだから、 直訳しておいても良かったのではないかな。
 ちょっと変わった映画好みの人ならかなり高評価だろうが、一般的に楽しみたい人にとっては酷評に値するかも知れない映画だった。


 
公式サイト 

興奮度★★★
沈痛度★★★★★

爽快度★
感涙度★★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 1945年の西ヨーロッパ。2名の米軍逃亡兵がMPに連行される。一人は第82空挺師団の ロージー。も一人は荒くれ者のデミング一等兵だ。ジープで連行途中にMPのジープが地雷を踏んでしまう。生き残ったMPのブライアン軍曹は部下のパイクに 丘を登るよう指示するが、パイクは地雷を踏んで戦死。逃亡兵2名にMP1名となった状況でデミングが反抗を企てる。それを阻止しようとしたブライアン軍曹 だったがあえなく地雷を踏んで戦死。デミングはブライアンの軍識票と交換し、さらにブライアン軍曹の顔をめちゃめちゃに殴打して潰す。「これで自由だ」。 ロージーは祖国の恋人の夢を見、戦闘の最中に火炎放射器で焼き殺した母娘のトラウマに悩まされていた。
 デミングは運命共同体だと、ロージーを脅しながら西へ逃亡を図る。西に行けば英軍と合流できるだろうという腹だ。途中で遭遇したドイツ兵は米軍偵察隊の 捕虜になりたがっていた。食事にありつけるからだ。
 二人はユダヤ教会にたどり着く。そこは無人のようだったが、周囲にはドイツ兵の死体と神父の死体があった。その晩、突然デミングは狂った神父に襲いかか られる。神父は人肉を食らって生き延びていたのだ。翌朝二人は出発するが、後から神父もついてくるのだった。
 ある村では女や老人達が首を吊っていた。ふと、気づくと神父もまた首をくくっていた。

 二人は無人のホテルに投宿する。その晩、ロージーは踊っている娘を見る。これは幻だったの か。
 翌朝、二人のフランス人中年男女がやってくる。デミングは二人から銃を奪ったあげく、中年女のマリアを強姦しようとする。止めさせようとしたロージーは 殴られて気絶。しかし、デミングは暴行前に武装した少年少女によって捕らえられる。少年少女らは下半身のない子、顔の傷ついた子、精神障害の子、幼い孤児 などでディーコンとマリアによって教育されていたのだ。ディーコンは「子供達に授けたのは存在意義(アイデンティティ)と家族だ。あの子たちにとって戦争 はゲームにすぎない」といい、戦闘訓練が施されていた。
 ホテルに60名のドイツ兵と戦車がやってくる。ディーコンと子供達は戦闘する決意で、ロージーももう逃げない、と共に戦う意志を持つ。デミングもまた仕 方なく戦闘に参加する事に。
 しかし、ドイツ軍の戦車はなかなか砲を発射しない。どうも、報復攻撃が目的ではないようだ。しかし、内部に潜入してきたドイツ兵を撃退するうちに、ドイ ツ軍も本気で攻撃をかけるようになってくる。ディーコンと下半身のないネルーは捨て身の攻撃をかけ、ディーコンは死亡、ネルーも戦車に損害を与えるも殺さ れる。そのうち、ドイツ軍の目的が地下室に隠されていた略奪品の絵画にあることが判明する。しかし、もはや戦闘は止められない。次々に子供が殺され、マリ アもまた倒れる。そして幼い孤児も・・・。

 ドイツ軍の指揮官が「私は部隊の父親だ。家族の未来を支える義務がある。最後の総攻撃をか ける」と言う。
 デミングは負傷したロージーに残った子供を連れて逃げろと指示する。「33年間生きてきてわかった 俺が何者か」そう言ってデミングは単身ドイツ軍に 撃って出る。「俺は勝ち誇るウジ虫だ!」
 その間にロージーは子供を連れて雪の中を逃げていく。寒さで暖を取りながら仮面を被った女の子が仮面をはずす。それを見たロージーは「君はきれいだ」と 呟いて力尽きる。
 一方、多大な損害をだしながらも地下室に入ったドイツ軍だが、絵画をみて一人の兵が呟く「これが未来ですか」。


(2006/10/19)

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