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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「天軍 評価★☆ 李瞬臣のもとにタイムスリップ した韓国・北朝鮮兵士
GENERAL OF HEAVEN
2005  韓国 監督:ミン・ジュンギ
出演者:キム・スンウ、パク・チュンフン、ファン・ジョンミンほか
106分 カラー 

 
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 核兵器の争奪を繰り広げる韓国、北朝鮮軍兵士が、李氏朝鮮時代にタイムスリップして戦乱に巻き込まれていくという、「戦国自衛隊」のパクリ的映画。韓国 軍3名、北朝鮮軍3名に女性の博士が1人タイムスリップする。時代は1572年で豊臣秀吉の朝鮮出兵時に水軍を率いた李瞬臣が登場する。

  元来、現代軍隊が戦国時代にタイムスリップしたらどうなるだろう、という興味津々な題材だけに基本的にはずれはないはずと思われた。だが、結論から 言ってしまえば期待を大きくはずしてしまった。ストーリー設定自体は何でもありなので、決して悪いものではなく、タイムスリップの背景、戦乱での戦闘、結 末と、戦国自衛隊を越えるものではないが及第点レベル。
 問題は、作品から漂ってくる「韓国自立主義」「太陽政策」的な政治色、民族色が余りに強すぎることだ。まず、韓国と北朝鮮が極秘に共同で核兵器を開発す るという設定自体眉をひそめたくなるのだが、アメリカが引き渡しを強要することに反発し、ついでに日本や中国に対しても敵意をむき出しにするのだ。さら に、タイムスリップ先は韓国の抗日的英雄李瞬臣将軍のもとで、事ある毎に抗日の英雄として賛美し、戦う相手は蛮族なのだがこれは傲慢な中国を意識している ように見える。
 いずれにしても、全編からプンプンと「朝鮮自立」「南北宥和」が漂ってきて、韓国人以外の者が見れば違和感を感じざるを得ない。制作年が2005年と言 うことで、超ぬるい太陽政策、南北宥和政策に邁進したノ・ムヒョン大統領の全盛期でもある。世相を反映してこのような作品に仕上がったのだろう。
 もう一点本作で不快だったのは戦闘シーン。朝鮮人や中国人のナタや蛮刀での殺害シーンはかなり残酷。外国人から見た日本刀も一緒の感覚なのだろうが、異 文化の殺戮とはこれほどにも不快感を感じるものなのだろうか。日本人にとっては思ったよりも残酷感を感じるのではないだろうか。
 作品のスケール感はあまり感じない。エキストラ数もさほど多くはなく、金がかかっている風には見えない。登場する兵器類は小銃と機関銃のみ。ただ、弾の 数が限られているので余り乱射シーンはない。この辺りはリアリティがあって良い。

 そういえば、李瞬臣を賛美する中で鳴梁海戦を代表的な戦功としてあげているが、ここにも歴史認識の違いが出ていると思われる。鳴梁海戦は戦術としては 評価できるが、戦果としてはさほど評価されていない。いかにも李将軍が日本水軍を打ち破ったかのような描写は韓国史観そのものなのだろう。

 全体に妙な朝鮮自立を前面に出しさえしなければ、それなりに楽しめる作品にはなったであろう。それにしても、韓国映画につきもののお笑いキャラクター。 本作でも韓国兵で登場。面白いことは面白いんだが、作品にマッチしているかどうかは・・・疑問。

興奮度★★★
沈痛度★★

爽快度★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 2005年、北朝鮮と韓国は極秘に核弾頭「飛撃震天雷」を開発していた。しか し、アメリカにバレ て引き渡しを求められる。上層部は日本や中国の反発も予想されるため、引き渡しを決定するが、北朝鮮人民軍カン・ミンギル少佐はこれに反発し、キム博士 (女性)を人質に核弾頭を奪取して逃亡を図る。すぐさま韓国軍に射殺命令が出されるが、銃撃戦の最中にカン少佐以下チェ・グアン軍曹、ファン伍長の3名の 北朝鮮兵と韓国軍パク・チョンウ少佐以下イ・チョヒル軍曹、ウォン伍長の3名、そしてキム博士の計7名が1572年にタイムスリップしてしまう。接近して いた彗星による影響だった。
 7名は李氏朝鮮の村人が蛮族に襲われている所に出現。訳も分からず蛮族を撃退し、村人達から「天軍」と讃えられる。7名はとりあえず、山の洞窟に居住す るも、北朝鮮兵と韓国兵の仲は決して良くはなかった。
 その晩、洞窟に1人の盗人が潜入し銃を盗んでしまう。追いかけたイ軍曹とチェ軍曹は男とともに官兵に捕まってしまう。男は李瞬臣と名乗った。あの抗日英 雄の李瞬臣である。ちょうど武科の試験に落ちて落ち込んでいたときであった。3人は何とか助け出され、7名は銃を返して貰うため、李瞬臣の住処に滞在する ことにする。
 パク少佐は李瞬臣に武術の訓練を施そうとする。一方、カン少佐ら北朝鮮兵は核兵器の行方を捜索することに。李瞬臣は7人をなかなか信用せず、銃の在処を 教えなかった。
 李瞬臣をかばってウォン伍長が死亡する。李瞬臣は蛮族に捕まって磔になる。李将軍はカン少佐らに救い出されるが、孤児の幼い女の子を目の前で殺された李 将軍の怒りは絶頂に達する。核兵器は蛮族のもとにあり、カン少佐は回収に成功する。
 彗星の周期からあと数日後に再び異変が起きて元に戻れる可能性があることがわかる。李将軍は蛮族を討つために一緒に戦ってくれと頼み、彼らは元に戻る前 日に戦うことを了承する。李将軍の発案で、敵の蛮族を狭い谷間におびき寄せて一網打尽にする作戦を考案する。後の鳴梁海戦と同じ戦術だ。
 準備を行う彼らだが、彗星の接近が近くなり、異変は戦闘の前に早まってしまう。パク少佐は帰還のため戦闘をあきらめ、李将軍を安全な牙山に送りつけよう とする。だが、北朝鮮のカン少佐は1人残って戦うことを決意。さらにチェ軍曹、イ軍曹も残ることに。パク少佐はしばらく悩むが、結局残ることに。いよいよ 蛮族が攻めてくる。谷間に追い込んだ彼らは前衛部隊を打撃するが、多勢に押しやられて後退。銃も撃ちつくし、肉弾戦となり、チェ軍曹が腕を切り落とされ る。さらに介抱にあたったイ軍曹が戦死し、カン少佐も死亡。パク少佐も李将軍をかばって死亡。最後は李将軍自身が敵の親分を打ち倒す。
 一方、キム博士とウォン伍長の乗ったボートは蛮族に追撃され、ウォン伍長が単身抵抗して死亡。キム博士だけが元の世界に戻ることが出来た。
 1597年9月6日、鳴梁海峡で豊臣水軍に対抗する水軍指揮官の李の姿があった。


(2008/08/29)