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戦争映画の一方的評論
 
ナイト・オブ・ザ・スカイ」 評価★★☆ ミラージュ2000戦闘機が音速で飛び交う
LES CHEVALIERS DU CIEL / THE KNIGHTS OF THE SKY
2005 フランス  監督:ジェラール・ピレス
出演者:ブノワ・マジメル、クロヴィス・コルニアック、ジェラルディン・ベラス、アリス・タグリオーニほか
100分 カラー

 
 フランス空軍が全面協力し、フランス製戦闘機ミラージュ2000の実機が画面を縦横無尽に飛び交う、というリアル映像をウリにしたもの。映画館で見よう かどうか、かなり悩んだが、ミラージュ見たさよりもフランス映画の胡散臭さが心配で、結局行かなかった。DVDを視聴して、結果オーライだったと納得。
 結論から言うと、ストーリーはハチャメチャ。物語設定もおかしければ、場面のつなぎも悪いし、何より最初から最後までの一貫性がないので、見ていて全く 引き込まれない上に理解できない。航空アクション映画ならばもっとアクション映像重視でストーリーなんぞは単純明快の方がずっといい。本作は「トップガ ン」を意識したらしいが、トップガンの単純明快なストーリーは快感ですらあり、それ故アクション映像が印象的だった。それに引き換え本作はアクション映像 の印象を打ち消すかのように不明瞭不可解なストーリーであった。起承転結は1回でいいのに、それが幾度も襲ってきたようなもの。
 役者はそれなりに存在感のあるのを持ってきてはいるが、その性格や役所が全く生かされていない。主役級のパイロット2名も登場回数は多いものの、最後ま で感情移入できない。女性パイロット2名もセクシーさだけが妙に強調され、重要な役所であるのにすっかり印象薄。しかも、次回作につながるかのようなエン ディングは・・・・もうやめておけ。

 航空機アクションの方は、前評判取りにかなり秀逸。ベイパーを曳きながら機動するミラージュ2000の迫力が凄い。これまでの航空アクション映画にはな いほどのスピード感とリアルな映像が堪能できた。ミラージュの機首やポッドに取り付けられたカメラによって撮影された映像は、素晴らしい安定性と鮮明な画 像に加え、並んで飛行する戦闘機の激しい機動を見事に捉えている。もちろんこれらは現役フランス空軍パイロットによるものだからなせる技でもある。航空 シーンのほとんどは実写で、特撮や合成はほとんどないとされる。翼から出るベイパーの雲は実に美しく、この視点で見ることは常人には出来ないことなので有 り難い体験でもある。低空で音速突破するシーンがあるが、その際に発生する空気の壁?のようなものはCG合成だと思われる。

 撮影はフランス各地の基地や飛行場で、パリ上空の撮影飛行が許可されたこと自体が珍しいことらしい。また、空中シーンの多くはアフリカのジプチで撮影さ れたということであるが、ジプチにはフランス空軍が駐留しており、そのミラージュを利用できたらしい。登場する主役の戦闘機はもちろんミラージュ 2000。すでに、ミラージュ2000は旧式となっているが、最新のラファエルを出さなかったのはやはり軍事機密上の問題か。この他、複座練習機のダッ ソーブレゲーアルファジェットが登場し、ミラージュ2000とのドッグファイトシーンを見せてくれる。アルファジェットは軽快な動きを見せるが、ミラー ジュ2000は動きにグラグラと何だか不安定な感じがするのは気のせいか。大型機としてはエアバス、空中給油機(KC−135ストラトタンカー)、早期警 戒管制機(ボーイングEー3Aセントリー)、輸送機(トランザールC−160A)が登場している。小型機では複葉のボーイングステアーマン(PT−17ケ イデット)が登場するが、 機体にU・S・NAVYの文字が書いている。そう言えば、C−160輸送機には「UN」と書いてあったが、ストーリー上それで良かったのか?。ヘリコプ ターはシュペルピューマで、やはりフランス製が多く登場しているのはお決まりなのだろう。

 ストーリーは最悪。航空アクションは秀逸、と見るべきポイントははっきりしている映画だが、その航空アクションもやや残念な点がある。多分、フランス空 軍の指導や助言によってアクションシーンは作り上げられていったのであろうが、その多くが急上昇、宙返り、ロールで、もちろんそれが戦闘機の高機動性を示 すものであるのだが、どうもそればかりに偏っているのが気になるのだ。我々素人には激しすぎるのと、マニアックすぎるために、逆に航空アクションのリアリ ティを阻害している。もっと離陸、着陸、通常飛行などじっくりと映像を堪能したい気もするのだが、慌ただしさばかりが目に付くのだ。評価としてはなかなか 難しい。面白くはないけど、今後も空軍の協力で映画は作って欲しい、と複雑な心境だ。
 

興奮度★★★★
沈痛度★

爽快度★★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 ファーンボロー航空ショーでデモ飛行を行う予定のミラージュ2000戦闘機のパイロットが何者か に殺害され、ミラージュ2000戦闘機が奪われてしま う。ミラージュは予定飛行区域を脱し、行方不明になったため、フランス空軍のマルチェリ大尉とヴァロア大尉の2機のミラージュ2000戦闘機が捜索を行 う。その結果、民間旅客機の下に隠れて飛行する戦闘機を発見。しかし、その戦闘機にヴァロア大尉のミラージュが攻撃態勢をとられ、ミサイル撃墜の危機にマ ルチェリ大尉が間一髪で撃墜する。
 基地に戻った二名は官房のコスト(女性)と特殊任務飛行隊隊長のベルトラン大佐に、撃墜したミラージュには特殊任務飛行隊のバルト少佐が搭乗し、防空シ ステムの検証を行っていたのだと明かされる。マルチェリ大尉らは確かに攻撃されそうだったと反論する。2名は真相究明のために謹慎処分を受ける。
 そこに、アメリカ空軍の美女パイロットヘジェット大尉とキャス大尉が訓練のためにやってくる。マルチェリ大尉らは彼女らの訓練を受け持つが、実は二人と も相当の腕であった。
 航空機会社ダッソー社のセーズ、レッドグレーブ夫人は、ミラージュ戦闘機を中東に売り込むためオーストラリア空軍のヴキャナン将軍を介して、F−16戦 闘機を売ろうとするアメリカと戦闘機のキャノンボールを行うことを計画していた。つまり、アメリカとフランスをそれぞれの戦闘機で同時に発進し、どちらが 先に中東につくかというものだ。しかし、途中の国に飛行許可を取ることも出来ないため、パイロットは除隊したものに頼るしかなかった。その白羽の矢に当 たったのがマルチェリ大尉らであった。首相直属担当のコストは、パイロットの手配を命じられマルチェリ大尉に協力を頼むが、聞き入れて貰えない。そこで、 軍の上層部は強引にマルチェリ大尉の撃墜事件を軍法会議にかけ、除隊処分にする。コストは次第にマルチェリに惹かれていき、撃墜事件の真相究明にも力を入 れる。
 結局、軍を解雇されたマルチェリ大尉らはキャノンボールレースのパイロットとなる。キャス大尉もまた特殊任務に志願し、ヴァロア大尉と通称ipodの4 名で飛行することとなる。空中給油機の支援などを受け、途中までは順調に進むが、ジプチ共和国上空で来るはずの給油機が乗っ取られてしまい、3機はジプチ の飛行場に着陸するはめになる。そこで、捕らえられた4名のうちipodは射殺され、キャス大尉は連れ去られてしまう。
 マルチェリとヴァロアは策を練り、飛行指導に同乗したマルチェリが低空で音速突破して地上を混乱に陥れている隙に、二人は脱出してフランスに帰還する。
 そんな時、敵に奪われたミラージュ1機が欧州サミットのテロに使われることを察知する。二人はすぐさま飛び立ち、給油機の後に隠れていたミラージュを発 見。なんとそのパイロットはキャス大尉であった。キャス大尉は裏切り者だったのだ。給油機を撃墜して地上に被害を与えようとするキャスだったが、マルチェ リによって阻止される。キャスはパラシュートで降下し、国外に脱出する。マルチェリは無人のミラージュ戦闘機を撃破する。


(2006/07/28)

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