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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「U−196 評価★ オーストラリアの海に沈んだUボートの積荷・・・
HIMMEL UBER AUSTRALIEN / RAPTURE OF THE DEEP
2006 ドイツ・オーストラリア  監督:トーステン・シュミット
出演者:
ゾフィー・シュット、メラーブ・ニニッゼ、ロンフ・カニエス、マレイク・フェルほ か
189分 カラー 

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  オーストラリアの澄んだ海コーラル・エッジに沈む、第二次世界大戦のドイツ海軍潜水艦U−196の積み荷が引き起こす、サスペンスパニックという触れ込 み。DVDでは前後編に分かれ、189分の長編テレビムービー。邦題でUボートの冠を付けてはいるが、どうも戦争映画の系統ではないなと思いつつ、外国映画評では8.5/10という好成績であったため、駄目もとで視聴した。

 やはりというか私の予感は的中し、本作はUボートの存在はほんの片隅に追いやられているのであって、しかもサスペンス・パニックというよりは、 ロード ムービー、エコ(環境)ムービーといった手合い。確かに、毒が流出したり、悪玉が暗躍するのを阻止したりと、ドキドキシーンもあることはあるが、それにし ても189分というのは実に長い。大半が、オーストラリアの大自然と、現地の人々のほのぼのとした会話、そして主人公らのどうでもいいようなヒューマンド ラマで構成され、ゆったりダラダラと時間が流れていく。いつUボートが出てくるのか、激しいアクションは・・・と期待していたが、結局最後まで裏切られた (笑)。
 シナリオ自体が、サスペンスと言うにはあまりに稚拙で、大学生の自主制作映画かと思うような、先が見え見えの展開。主人公の父親探し、オーストラリアの 石油掘削会社社長親子の確執、現地アボリジニの女性の人間関係など、ヒューマンドラマ要素も多分に盛り込んではいるが、どれも有機的に関連しそうでせず、 長時間映画の割に深みがない。ダイビングシーンが多いので、ダイバー志向の映画かとも思ったが、それもちょっと違うようだ。
 また、ラブロマンスも盛り込まれているが、主人公エレナ役のゾフィー・シュットは30歳すぎの微妙な年齢で、ちょっとごつい感じは個人的には趣味じゃない (笑)。もう一人の若い女性デビー役も30歳越えで、どちらも美女ではあるのだろうが、どうにも華がないのだ。さらに、エッチシーンもあるのだが、バスト トップが映りそうで映らないもどかしさ。不完全燃焼(爆)。
 
 このほか、ストーリー設定に陳腐な点も目立つ。Uボートに積まれていた毒はボツリヌス菌毒素で、1グラムで100万人の致死量があるとされている。潜水艦から漏れだしたボツリヌス菌毒素によって大量の魚が死亡したこと から大騒ぎになるのであるが、確か積み荷のボツリヌス菌アンプルは全部で20本存在するとしておきながら、主人公らが引き上げ回収したのも20本。じゃあ、その前に漏れ出た菌は一体どこから?もし、その うちの1本が破損して漏れているのだとしたら、防護服も着ずに潜って回収していた彼らの身は・・・?
 また、主人公が父親を確認するため、血液型を調べるのだが、本国にいる友人に頼んで血液型対照表を取り寄せ、特別な鑑定でもするのかと思いきや、判明 したのは「AB型の父親からはO型は生まれない」・・・・。ドイツではそんな基本的なことも取り寄せないと分からないのか・・・ガッカリ。
 ついでに、主人公のエレナがドイツ語を話すのは当然だが、オーストラリアの人々も皆ドイツ語を話しているのは変。テレビムービーなので仕方ないのだろうが、ドイツ語は独特の圧迫感があるので、オーストラリアの広大な自然にはマッチせず、かなり違和感があった。

 結局、本作のジャンルは何だったのか。ドキドキ感を期待するのも、ゆったり感を期待するのもどちらも中途半端。ストーリー自体、面白いか面白くないかと言ったら・・・かなり面白くない。戦争映画じゃないからという問題以前に、久しぶりに失敗しちゃったな。
 

興奮度★
沈痛度★

爽快度★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  ドイツ海洋研究所の研究員エレナは双子の兄をダイビングで失い、トラウマ状態にあった。折しも研究所の館長選挙が迫っており、エレナはマーティンからの推 薦もあり、館長候補に立候補する。エレナは、自宅の屋根裏の整理の際に、亡くなった母親の隠していた手紙を発見する。手紙は墜落事故死したと聞かされてい た父からで、1975年10月の消印で内容は、「刑務所に入れられてしまうのでドイツから逃げなければならなくなった。オーストラリアのコーラル・エッジ でダイビングスクールを開いたので、余裕が出来たら母子を呼び寄せる」といったものであった。
 気になったエレナはインターネットで検索し、コーラル・エッジに海洋観測所があることを発見。所長のスティーブ・アトキンスが年齢的にも父親に近かっ た。友人のコリンナの勧めもあり、エレナは10日間の休暇を貰ってオーストラリアに旅立つ。観測所までの道に迷ったエレナはアボリジニで女性保安官のマル チダに助けられる。観測所にようやくたどり着いたエレナは、青年のカイル・ビッカム、フィル、女性研究者デビーと出会う。しかし、スティーブにはなかなか 会えなかった。
 当初はイルカの研究という名目で滞在していたが、海岸でイルカの変死体を見つけてから事態は急変する。イルカの死体から毒物ボツリヌス菌が検出されたの だ。人体への影響も懸念されたことからスティーブらの血液検査を提案したエレナは、町で唯一の医者パーカーに検査を依頼する。そのパーカーはどうも胡散臭 く、何かを隠していた。血液検査は実はスティーブが父親かどうかを調べる意図もあった。しかし、スティーブはAB型、エレナはO型で親子関係にはなかっ た。逆にカイルの父親で海洋観測所と敵対関係にある石油掘削会社社長ジョージ・ビッカムが候補として浮上する。
 そのビッカム社長は市長らも抱き込んで、コーラル・エッジ自然保護区の掌握を狙っていた。そのため、ボツリヌス菌の公式調査を阻止した。スティーブらは 独自にイルカの背にカメラを装着して海底の調査を実施する。その結果、毒物の発生源にドイツ海軍のUボートU−196が沈んでいることを突き止める。調査 のためにカイルとエレナが潜るが、海流の変化でカイルが危機に陥る。エレナは兄フランクの死が頭をよぎり、カイルをなかなか助けることが出来なかった。こ れに怒るカイルとエレナを支持するフィルの間で喧嘩が起きる。スティーブはカイルに休暇を与えるが、カイルは怒って父親のもとに行ってしまう。
 エレナは、スティーブの破けた服の隙間から兄フランクと同じアザがあることを発見。スティーブの家を捜索して、母からの手紙を発見する。やはりスティー ブが父親で、血液は他人とすり替えていたのだ。スティーブは、ドイツ軍務中に軍曹と喧嘩し、終身刑となりそうだったので逃亡したと理由を語るが、母子への 謝罪の言葉はなかった。
 さらに大量の魚が死ぬ。ボツリヌス菌の容器が腐食して流れ出したと判断し、海軍に連絡を入れる。一方、エレナはドイツの大学教授に連絡し、U−196の 積荷についての調査を依頼し、U−196は日本に行く途中に撃沈されたもので、ベーネミュンデ港でボツリヌス菌アンプル20本を積み込んだことが判明す る。海軍はなかなか重い腰を上げず、海域への到着が遅れそうだった。
 ある夜、不審なゴムボートを見つけたフィルとエレナは追跡し、フィルが潜水艦に潜る。フィルは海中で不審者に襲われ、間一髪のところでエレナが救出する が、不審者の仕掛けた起爆装置が爆発する。この爆発で、エレナらに怪我はなかったが、不審者が大怪我を負う。その不審者とは父親に誉めて貰いたくて爆破を 狙ったカイルだった。
 カイルは意識不明となり大病院へ搬送される。カイルの恋人であるデビーもビッカム社長側につき、社長に情報を流し始める。エレナとフィルは急接近し、つ いに関係を結ぶが、エレナはなかったことにしようと言う。さらに、スティーブとも喧嘩をし、館長選挙の期限が迫ったためにドイツへ帰国することにする。帰 路につくエレナを追ったフィルの車が何物かに工作されて事故を起こす。次第に父親ともわだかまりが溶け始める。
 スティーブは、サイクロンが接近していることを知り、海軍の到着まで潜水艦がもたないと判断。自力でボツリヌス菌を回収しようと試みる。いったんは帰ろ うと考えたエレナだが、父親とともに回収することを決意する。スティーブはボツリヌス菌アンプルを回収。しかし、引き上げ時に足を挟まれてしまい、エレナ に救われる。一足先に海上の船に戻ったスティーブはビッカム社長に襲われ、またもやエレナに救われる。
 サイクロンが去り、医者のパーカーが自殺する。館長選挙に早く戻ってこいと言う電話にエレナはもう戻らないと宣言する。 


(2007/06/21)