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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「大いなる陰謀  評価★★☆ アフガニスタン軍事政策を巡る駆け引き
LIONS FOR LAMBS
2007
  アメリカ 監督:ロバート・レッドフォード
出演者:ロバート・レッドフォード、トム・クルーズ、メリル・ストリープほか
92分 カラー 

 
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 アメリカのアフガニスタン軍事政策を背景に、上院議員、マスメディア記者、政治学の大学教授と学生が絡むサスペンス調ヒューマンドラマ。権力への野望の ために真実よりも大義を優先する上院議員、報道の影響力を知るが故、真実と大義の間に揺れる記者、そうした政治家を育てる理想を追求しつつも現実に苦悩す る教授、真実にも大義にも目を背けるノンポリの若者らが、それぞれの立場で正しいと思う選択をしていくのだ。そこには政治や国策の正解のない迷走がある。 当然 内容はフィクションだが、イラクやアフガニスタンで今もなお戦い続けるアメリカの特殊性をひしひしと感じる。

 会話、ストーリーともに、比較的隠喩的表現が多く、わかりづらい映画である。実は映画館で見たのだが、レビューを書く気にもなれず放置状態で、レビュー がないので間違ってまたレンタルしてしまった(汗)。それだけ、内容的には重くヒューマニズム系なのだが、何に着目すればよいのか、焦点が絞りにくい。特 にラストシーンは色々なシチュエーションを想定できるような作りこみと なっており、作品としてはいささか締まりの悪い結果となっている。監督としては、アメリカの持つ軍政問題を一つの結論に押し付けるのではなく、視聴者側で 考える余地を与えたということなのだろうが、かなり消化不良を起こした視聴者も多いのではないだろうか。共和党(与党)批判とも、マスコミ批判とも取れる し、無関心な学生への警告とも取れる。
 本作はそういう意味で非常に奥の深い内容なのだが、私はあまり心に響くものがなかったのだ。それは私が日本人 だからなのかもしれないが、やはり本作がプロローグ的な作りになっているからではないかとも感じた。これから更に激動し、泥沼化していくアメリカの軍事行 動 への不安と警鐘をあらわしているのだろうか。そう言った点では、この続編を作るのも面白いのではないだろうか。

 上院議員役のトム・クルーズは妙な爽やかさが気になった。確かに若手議員というのは日本でも、妙にハイで艶やかなんだけど、事の重大さに比べて言動の軽 さがどうもしっくり来なかった。また、女性ベテラン記者役のメリル・ストリープは深みのある名演技だったが、その深みを醸し出す記者人生の背景描写がもう 少しあると良かった。イラク戦争開戦時の失策が伏線となっているのだが、その辺りから描かれていると分かりやすかったのでは。

 映像的には、議員執務室と戦闘シーンが大部分を占め、撮影予算的にはあまり金がかかっていないように見える。その戦闘シーンもかなりチープな作りで、暗 い画面でチープさを隠そうとする意図がミエミエ。大学出志願入隊ですぐに特殊部隊員というのも、うーん・・・という印象だが、多用するCGも何だか見づら い。こんな程度ならむしろ大幅カットした方がすっきりしたかもしれない。

 全般に社会的問題と課題を重く漂わせる作品なのだが、思った以上に伝わってこなかったのが残念。作品として楽しめるか、というとそれほどでもなく、どう しても評価的には低くならざるをえない。ただ、アメリカがカオス状態にあることだけはわかるが。

 最後に、公式HPでタイプ診断があるのだが、私は「あなたは権力のために生きるアーヴィング」に分類された(笑)。

 公式HP 
 

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 共和党のJ・アーヴィング上院議員は旧知の ベテラン女性新聞記者ジャニーン・ロスを執務室に招き入れる。ロス記者はかつて若きアーヴィングを評価して記事にした経験があったのだ。
 議員は新たなアフガニスタン攻撃の新計画を リークし、自身の保身と飛躍を目指そうとしている。今がターニングポイントだとして、特殊部隊が標高2,400mの高地に侵入し優位な戦略ポイントを確 保。少人数チームで最小限の被害で敵をおびき出そうとするのだ。作戦の効果と企図について質問するロス記者に対して、陸軍士官学校を優秀に卒業し、情報部 勤務経験のある上院議員はイラク戦争の失敗を認めるが、マスメディアの共犯性についても言及する。今度こそ共同して勝利を目指すべきだと説得する。勝利の ため手段は選ばないのだと。

 バグラム空軍基地では、 アーネスト・ ロドリゲスとアリアン・フィンチらの特殊部隊がファルコ中佐の指揮下でアルカイダ掃討作戦計画にとりかかっていた。だが、敵のいないと思われた高地でヘリ が銃撃され、フィンチとロドリゲスが機体から落ちてしまう。フィンチは足が雪に埋まってしまい身動きが取れず、ロドリゲスは手足などを骨折して重傷だっ た。

 カリフォルニア大学 政治学のS・マレー教 授が学生トッド・ヘイズを呼び出す。教授は才能のある学生をみつけることに生きがいを感じていたが、学生は政治に失望し、やる気を失っていた。教授は出来 ることを何かすべきではないかと説得する。トッドの前に目をかけていたロドリゲスとフィンチは、教授の制止をきかずに志願兵としてアフガニスタンに赴いて おり、教授はそのことを残念に思っていた。自身もベトナム戦に参加したこともあり、軍に入ることに肯定も否定もしなかった。ただ、黒人とプエルトリコ系で あるにも関わらず、国のために軍に入った彼らの責任感と勇気には敬意を感じていた。

 タリバン兵に囲まれたフィンチら二人を救出 するため、ファルコ中佐はA−10攻撃機を現地に投入する。しかし、到着まで十数分かかり、その間にもタリバンが迫ってくる。弾の余裕もない二人は窮地に 追い込まれる。

 この状況は執務室のアーヴィング議員のもと にも知らされる。異様な雰囲気を察知したロス記者はテレビ局に戻るが、スクープ報道として製作する気がしない。上司の命令に背いて政府のプロパガンダとし てそのままを流すことを拒否し、テレビ局を後にする。

 Aー10の攻撃にも関わらずフィンチら二人 の弾は切れ、死ぬときは立って死にたいと言って二人は立ち上がり銃弾に倒れる。また、トッド・ヘイズは教授に言われた言葉をかみしめ、テレビで流されるア フガニスタン急襲作戦のニュースを眺める。

(2008/11/21)