「ミッドナイトイーグル」 評価★★ 雪の北アルプスに現れた謎の侵
入者
MIDNIGHT EAGLE
2007 松竹 監督:成
島出
出演者:大
沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉田栄作ほか
131分 カラー
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航空自衛隊小松基地のF−15が全面的に協力、という触れ込みの作品だけに、期待度も大いに高まった。しかも、架空ではあるが、米軍のステルス爆撃機
B−5「ミッドナイトイーグル」まで登場し、北アルプスに現れる謎のテロリストは、どうみても北の某国という面白すぎる設定。
しかし、いざ視聴してみれば、突っ込みどころ満載の「うーん、どうなんでしょう」映画だった。原作は未読だが、読んだ人によればナカナカ良かったとのこ
とであるから、映画化にあたって失敗したと解釈すべきであろうか。
まず、ミリタリー的視点から言えば、あまりに不自然なシーンが多すぎる。習志野空挺部隊や山岳レンジャーから送り込まれた陸上自衛隊の弱いこと、弱いこ
と。棒立ちで敵国ゲリラに一斉掃射。まあ、それはそれでありとしても、同じく棒立ち、原色ダウンジャケットの主人公ら民間人には弾は当たりません!、とい
うのは萎える。また、自衛隊員1人に銃を持った事もない民間人2人に対し、数十名の小隊規模のゲリラと互角というのも・・・。どうせ架空小説なんだからと
言わず、もう少しリアリティは押さえてくれないと、緊迫感がない。
もう一つ許せないのは、あれだけ空自のF−15と言いながら、登場したのはほんの1分足らず。しかも、飛行シーンはほとんどなく、唯一楽しめたのは緊急
アラート出撃シーンのみ。もうちょっと航空シーンに使ってよ。この他、登場する自衛隊機は習志野のUH−1とコブラが少し。自衛隊が協力というよりは、駐
機している機体を撮影させてもらいましたといった感じ。
以外に良かったのは、冒頭のイラク内戦シーン。少年がロケット砲撃でぶっ飛んでしまうあたり、インパクト大。
内容の方はといえば、各役者の演技はまあまあだったのだが、竹内結子の義妹役がちょっと違和感あり。ラストシーンなんかは感動的なはずなんだけど、演技
とは裏腹に、ひどい冷血女のようにしか見えなかった。それも人格設定の描写が少なかったからだと思われる。逆に良かったのは吉田栄作演じる陸上自衛隊三
佐。栄作のベタな演技は健在だったが、久しぶりに見ると新鮮だった。歳を取って男気あふれる演技ができるようになったのかな。
本作はアクションのようでヒューマンドラマという、近年の流行に沿っている作品のようだが、どちらにしても中途半端な印象。アクションで満足できるほど
のものでもないし、ヒューマンドラマにしては深みが足りない。うまく作れば親子愛、人間愛をもっとアピールできたのだろうが、ストーリー展開に強弱という
か、メリハリがないので、心の感動に点火しないまま終わってしまったのが残念。
あと、原作がそうなのだから仕方ないのだろうが、エンディングがぶっ飛んで終り、というのもどうも・・・。ハッピーエンドで終わるのが日本人的でいいの
だがなあ。
興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★★
感涙度★★
(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
なし
(2008/01/22) |
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