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かぽんの戦争映画一方的評論
 
「ピース・ベッド アメリカVSジョン・レノン」 評価★★☆  反体制運動に身を挺したジョン・レノン
PEACE BED
2007  アメリカ 監督:デビッド・リーフ、ジョン・シャインフェルド
出演者:
ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、ロン・コービック、ジョ ン・シンクレアほ か
99分 カラー 

 
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 1980年凶弾に倒れた歌手ジョン・レノンのドキュメンタリー映画。特に、ジョン・レノンが後半期に精力を傾けた、反体制運動、平和運動、革命に焦点を 絞り、ジョンがどのようにしてこうした活動にのめりこみ、彼自身の思考が変わって行ったかを描いている。

 私自身はジョン・レノンについて余り知らないし、興味もなかった。むしろ若者やヒッピー達を扇動する芸能人といった印象が強かったのだが、本作を見て若 干その見方も変わった。
 ジョン・レノンの不遇な生い立ちゆえの反体制的な行動を基盤に、オノ・ヨーコとの出会いで非暴力の平和主義に傾倒していくのだが、ここまでは個人として 出来うる平和行動として理解ができた。その行動成果の有無はともかく、人気歌手グループ「ビートルズ」の影響力を理解した上での自己アピールは、私個人的 には肯定できないまでも、理解はできる。しかし、こうした若者や反体制的行動者に対する強大な影響力は、ただそれに留まる事を許さなかった。結局、ジョ ン・レノンは反体制政治活動家たちのグループに利用され、抱きこまれることにより、自身の基盤である非暴力的反体制の制御力を失い、自身の行く道を徐々に 外していってしまう。言うまでもなく、多くの革命的行動、反体制活動はリーダーのための虚栄に陥る事が多いのだが、彼の場合も自身がそれを嫌うはずであっ たにも関わらず、リーダーだけが感じうる崇拝的虚栄心に毒されていったのだと感じる。ただ、彼が自己矛盾に気付き、混迷する前に凶弾に倒れたことが唯一の 救いであっただろう。
 
 本作は、ジョン・レノンの思想や思考にはさほど深くは立ち入らないものの、関係者の証言等を多く用い、彼の生きてきた道をわかりやすく描いている。やや 反体制側の嗜好に沿いすぎている感は否めず、体制側(政府等)における論理や理屈が描かれていないのは残念だが、しっかりと深読みすればその辺りはわから なくもない。
 ジョン・レノンはある意味無知であったが故に、あそこまでの平和主義を貫く事ができたとも言えよう。純真とも言えるし、素直に人の生や愛というものに立 ち向かうことが出来ていたのだろう。ある意味うらやましい気持ちも感じるが、そこに潜む危険性というものも感じる。平和主義、反体制に限らずも、行動とい うものを一貫性、公平性をもって続ける事がいかに難しいか、それが人数が増え影響力を増すことによって、ますます組織構造の複雑化を招いていくか。彼らの 行動活力源である反体制という理念そのものが、強大化することによって彼らのもっとも嫌うべき権力化に繋がっていくのだ。そもそも、反体制という思念は個 々人のみが持ち合わせるものであって、統一的に規範されるようなものではないからだ。
 「WAR IS OVER」。彼が広げようとしたこの言葉は、芸術活動を通して広がっていった。それがいつの間にか政治活動に転化していく。個人の主張でしかない芸術の世 界だからこそ良かったのではないか。政治と芸術(文化)、そして宗教・・・。それらが交わるとき暴力の火種が起きる。そのことをジョン・レノン自身が気付 いていなかったとは思えないのだが。

 政治活動に触れればやけどをすることを彼は知ってはいたのだろう。だが、政治活動に触れなければ彼自身の完全燃焼ができない。そうした葛藤を感じること ができる映画だ。ジョン・レノンファン、反体制的趣向の人にとっては、また感じ方が違うのかもしれない。

 そういえば、1967年に「ジョン・レノンの僕の戦争」という映画があった。戦争映画としては酷評したが、ちょうどジョン・レノンが反体 制的行動をアピールし始めた頃の作品である。彼自身、平和アピールをどのようにすればいいのか確立していない時期であり、芸術を通して訴えることを試行錯 誤していた時期である。そういう目で改めて見てみると、ジョン・レノンの訴えようとしているものが見えてくるかもしれない。
 

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

なし

(2008/01/20)