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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
T−フォース ベトコン地下要塞制圧部隊  評価★★ ベトコンの地下トンネル掃討作戦実施の小隊
1968 Tunnel Rats
2008
  ドイツ・カナダ 監督:ウーヴェ・ボル
出演者:マイケル・バレ、ウイルソン・ベセル、ミッチー・イーキン ス ほか
96分 カラー
 
 
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 ベトナム戦争におけるベトコン地下壕掃討戦を題材にした、アクション映画。ただ、確かにベトナム戦争を背景に戦闘シーンなどアクション性もあることはあ るのだが、ミステリーやホラー的な、なんとも言えない不思議な雰囲気が漂う映画でもあった。ストーリー性は確かにあるし、アクションシーンもまあまあの出 来なのだが、結末と言い、映画の目指す方向性がどうにも不可解で、消化不良なのだ。これは、製作した監督を見て納得(笑)。このボル監督、なにやら 2008年にワーストディレクターとしてラジー賞を獲得した方で、過去にはゲーム作品の映画化を連発して酷評を買っているのだそうだ。本作はゲーム作品か ら締め出されてシリアス系の再出発といったところのようだ。

 ストーリー自体は、ベトコンの地下トンネルの捜索、掃討戦を実施する米陸軍小隊ということで、それなりの臨場感と緊迫感を感じることができる。酷評され るほどのものでもないな・・・と思っていたが、次第に雲行きが・・・。とにかく、死ぬ、死ぬ、死ぬ(笑)。これでもか、というくらい残忍、あっけない死の 連続描写で、結局生き残ったのは・・・・(下記あらすじでネタバレ)。もうとにかく希望も救いもない・・・。従って、せっかくの中盤までの戦争映画的なア クションが、終盤になって台無しになっていく。結局、何を描きたかったのか不明で、ホラー的な要素が色濃くなり、最終的には戦争らしさもベトナムらしさも 吹き飛んでしまった。

 小隊がメインとなるが、登場人物は十数名で名前と顔が一致しにくい。性格付けも結構浅めで、小隊長のハリボード中尉がキーマンかと思ったが、それほどで もない。ベトコン兵士側もそれなりに人間的に描き、終始浅めのヒューマンドラマが繰り返される。なんとも形容しがたいが、心のないヒューマンドラマといっ た感じか。確かに、人の死をベトコンと米軍兵の戦闘を通して語ろうとしているようにも見えるのだが、そこには重みが感じられないのだ。結局は米軍、ベトコ ン兵士たちを題材に、さまざまな「死」を享楽的に描きたかったのではないかとさえ思える。本作では「死」に満ち溢れているが、それが心に突き刺さることは ない。

 ロケ地は南アフリカだそうだ。ジャングルらしい雰囲気は多少出ているが、ちょっと灌木風のものが多い感じはする。問題は米軍小隊の拠点基地。ジャングル の中に突然テントやら機銃陣地やらが林立している。その周囲には有刺鉄線もないし、監視所もない。いきなりベトコンに襲撃を受けるのだが、これじゃ全滅す るのも当たり前だ(笑)。そもそも、ベトナム戦争ではベトコンゲリラに備えて、開放地に幾重もの有刺鉄線をまわし、こんな前線基地はなかったはずだ。この あたりはリアリティに欠けている。
 ベトコンの地下トンネルはいろいろな仕掛けや工夫が凝らされていてそこそこの出来。せっかくなので、もう少しこのあたりに力を入れてみたら面白かったの に。登場する兵器はヘリでUH-1イロコイがある程度。小隊の所属はパッチから第1騎兵師団のようだが、その他のパッチは良くわからない。

 全般的に残念でしたの出来。ベトナム戦を期待してもダメ、トンネル内の緊迫感もあまりなし。ひたすら死が見たい人にはいいかも。まあ、そんな人はほとん どいないだろうけど。   

興奮度★
沈痛度★★★

爽快度☆
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  1967年ベトナムのクチ。米陸軍小隊がベトコンの地下トンネル掃討作戦に従事している。小隊長はハリボード中尉で、そこに補充兵としてカール・ジョンソ ン二等兵らがやってくる。ジョンソンは数度のトンネル戦経験があるが、皆トンネル戦の恐怖を感じている。ハリボード中尉は部下をベトコンに惨殺されたこと を根に持ち、捕虜になったベトコンにも残忍な絞首刑を命じる。補充兵の一人は中尉のやりかたに反抗するが、中尉とボクシングをして打ちのめされる。
 小隊にトンネル掃討の命令が下る。誰もが行 きたがらないが、中尉は叱咤して進んでいく。やがてトンネルの入り口を発見。中尉はディーン・ギャリティ二等兵、ジョンソン二等兵、黒人のジョナサン・ ポーティソン二等兵の3名にトンネルに入ることを命じ、数名の見張りを地上に残して、自らは基地に戻る。
 穴に入った一人目のギャリティ二等兵が下部 から腹を銃で撃たれる。ジョンソンらはギャリティを引きずり出すが死亡。穴の中に手りゅう弾やガス弾をぶち込む。ジョンソンとポーティソンは無線を持って 中に入っていく。ジョンソンは途中で仕掛け爆弾を発見し解除する。さらに別の出口を発見し、顔を出すが、そこにはベトコンの女兵士マイがおり、ジョンソン は首を竹槍で刺されて死亡する。マイは過去に米兵に強姦された恨みがあった。ポーティソンは一人取り残され、地上にいた見張り兵はジョンソンの死体を発見 して混乱する。さらに、マイク・ヘニー軍曹、テレンス・ムラーノ二等兵、ダングリーン伍長の3名がポーティソン救出のために穴に入る。トンネルの中ではベ トコン兵のトランらが待ち構えていた。
 ヘニー軍曹は罠にかかって死亡。ムラーノ二 等兵も待ち構えたベトコンに射殺されて死亡。グリーン伍長のみが取り残される。地上に残っていたジム・リットフォード二等兵とピーター・ハリス二等兵は地 上からベトコンの襲撃を受け、リットフォードが足を撃たれ、二人はやむなくトンネル内に入る。リットフォードの背後にベトコン兵マイが忍び寄り背後から リットフォードを刺し殺す。ポーティソン、グリーン、ハリスの3名がトンネル内に取り残され、ポーティソンとグリーンが合流するが、グリーンは恐怖で動か ないと言い出す。ポーティソンは一人で移動し、トンネル内の溜まった水中を泳いで出口を探す。浮上した部屋にはベトコンが二人おり、手りゅう弾を投げ込ん で撃破する。一人はトランで、瀕死のトランはポーティソンに出口を教えてやる。
 グリーンはベトコンに遭遇し、間一髪で射殺 する。だが、ベトコンの死体が邪魔で前にも後ろにも進めない。仕方なく、ベトコンの体を切り刻んでどかして前に進む。進んだ先には蓋がしてあった。その蓋 を壊すと大量の水が流れてきた。水責めの罠だったのだ。グリーンは水死する。
 そのころ、地上の基地ではベトコンの襲撃を 受けていた。ほとんどの兵が死亡し、ハリボード中尉も瀕死となる。中尉はもはや無理と判断し、本部に空爆要請を行う。そして中尉も敵弾に倒れてしまう。 ポーティソンはなんとかトンネルを脱出し基地に戻る。そこにベトコンの襲撃からなんとか逃れて生き残ったボブ・ミラー二等兵も合流する。基地は全滅状態 で、二人は茫然と立ち尽くす。そこに米軍のイントルーダーがやってきて基地を空爆する。二人も巻き添えを食って死亡する。
 一方、ハリスは部屋でマイとその子供二人に 遭遇していた。敵意を向けるマイをなだめていると、地上で米軍の空爆が始まる。部屋が崩落をはじめ、マイの子供をトンネルに逃がす。だが、その瞬間トンネ ルが崩落し、子どもたちは生き埋めに。部屋に閉じ込められたマイとハリスはシャベルで穴を掘りはじめるが、穴は全然掘れなかった。次第に酸欠になり、二人 は意識を失っていく。

(2010/08/27)