オンラインDVDレンタル ぽすれん

 
オンラインDVDレンタルなら『TSUTAYA DISCAS』!

かぽんの戦争映画
一方的評論
 
エネミーズ・エリア 地獄の勇者たち  評価★☆ 湾岸戦争でのシールズの極秘任務
SEAL TEAM VI
2008
  アメリカ 監督:マーク・C・アンドリュー
出演者: ジェレミー・ディヴィス、ケン・ギャンブル、ザック・マッゴーワンほか
96分 カラー
 
 
DVD検索「エネミーズ・エリア」を探す(楽天) 

 1991年の湾岸戦争を背景に、米国を中心とした多国籍軍による「砂漠の盾」作戦から「砂漠の嵐」作戦まで、米海軍特殊部隊シールズの活躍を中心に描い た戦争アクション。主人公となる米海軍特殊部隊シール6は砂漠の嵐作戦のピンポイント空爆のために、事前にイラク領内に潜入し、イラク軍陽動作戦のほか目 標物の誘導支援任務を担う。戦争アクション映画としては面白い素材設定なのだが、何分ストーリー、映像ともにかなりの駄目駄目。せっかくの題材の割には、 ほとんど見るべきものがないし、見終わった後に妙な脱力感が襲う。

 1990年にクウェートに侵入したイラクに対し、アメリカ等の多国籍軍は隣国のサウジアラビアに集結。イラクのフセインに対し、撤退を迫っていたが、結 局1991年1月の撤退期限を守らなかったために、空爆を中心とする武力行使「砂漠の嵐」作戦を実行することとなる。この空爆作戦は近代戦だけあって、民 間人への被害を最小に防ぐため、軍事施設等へのピンポイント爆撃が実行された。空爆実施にあたっては、事前にイラク軍陽動や軍事施設攻撃目標のターゲット などの必要性があり、実際にもシールズが活動を行っていたようだ。ちなみに、本作のシール6はシールズの中でも特に選抜された対テロリスト部隊 DEVGRU(チーム6)を指していると思われる。

 まずストーリーだが、シリアスな雰囲気を前面に出している割に、設定や台詞がずさんすぎる。シール6の指揮官マック上等兵曹は軍法会議に何度もかけられ るような無法者という二流の設定から始まって、イラク攻撃に際してシール6を投入するのに、上院議員まで巻き込んでのドタバタ騒ぎ。イラク潜入任務の内容 もさっぱり不明だし、時系列もどうなっているのかよく分からない。イラク潜入後もシールズとは思えないようなお粗末な行動に、強引なお涙頂戴劇。なまじ真 面目に作ろうという意図が見えるために、余りに陳腐なストーリーと展開が痛すぎる。
 台詞もかなり唐突なものが多いが、それよりも場面のつながりが稚拙で、起こっている背景事象の説明がほとんどないので、ストーリーが理解しづらい。ま た、上等兵層の実子の事故死や、イラク人の子供射殺といった、人情ストーリーが突っ込まれており、これが大いに混乱させる。前半まではシール6のアクショ ン的活躍がメインの映画だと思っていたが、終盤はお涙頂戴ヒューマンドラマに大転換する。そもそも、ヒューマンドラマになるような緻密なストーリーではな いので、これは蛇足以外の何者でもない。エンディングのあたりはもはや失笑するばかりだった。

 映像はハンディカメラを利用するも、実戦シーンが多くないため、効果はあまりない。多くの戦闘シーンは航空機記録映像が多用されている。だが、ありがち な映像であるうえに、画像とストーリーの因果関係がまるでないのでしらけてしまう。映画で撮影された兵器類はヘリのブラックホークぐらいではないだろう か。
 ちなみに、記録映像で出てくるのは空母ミッドウェイ(CV41)とVFA-137のホーネット(410)、VFA-151のホーネットのほか、EA-6 プラウラー、E−2Cホークアイなどの姿が見える。飛行映像ではF-117などが出てくる。

 総じて、何を作ろうとしたのかわからない結果になり、映画として楽しむことも、ミリタリーの興味を満たすものにもならなかった残念作だ。

興奮度★★
沈痛度★★

爽快度★
感涙度★

映画見るなら ⇒スカパー!初期費用無料
オンラインDVDレンタルなら『TSUTAYA DISCAS』!
古本市場】激安古本・CD・DVD・ゲームソフト販売買取
新刊書籍・雑誌・DVDジェイブック
新品DVD・家電
い〜でじ!! 

(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  1990年ペルシャ湾上の空母ミッドウェイ。クウェートに侵攻したイラク軍に対し、アメリカ軍は「砂漠の盾」作戦を展開しようとしていた。米軍の司令官は イラクに極秘任務として海軍特殊部隊のシール6を投入することを考える。だが、シール6はマック上等兵層に指揮され、マックはセルビアで無謀な任務を遂行 したことで危険人物視されている。政府の上院議員の委員長はこれを承認したくないが、米軍の将軍に説得され、やむなく承認する。
 シール6はイラクに潜入し、陽動作戦を実施 することで、大規模な戦闘を仕掛けることを任務としていた。従って、シール6の存在とイラク潜入は公式にはなかったこととされ、指揮官の少佐の権限で行わ れた。シール6はマックのほか4名で構成され、デイビスは新入りで厳しい訓練を課せられていた。ようやくデイビスも一人前になり、イラクに潜入すること に。出発間際にマック上等兵層の妻がやってくる。直前に息子を事故でなくしており、妻はナーバスになっている。息子の死の直前の言葉を聞く妻に、マックは 何も言わずに去っていく。
 ブラックホークに乗った5名はパラシュート で海上に降下し、海岸線に上陸。だが、イラク人案内人との合流地点までにイラク軍がおり、空爆を要請する。だが、デイビスのミスで危うく誤爆に。ようや く、案内人ジャマールと合流するが、ジャマールは強盗に襲われそうになっており、目の前で強盗が射殺されてナーバスになっている。ジャマールはクルド人で フセインに家族を殺されていた。
 いよいよイラク軍の軍事施設を発見し、空爆 の誘導を行う。ピンポイント爆撃が成功し、シール6は脱出に。だが、方位を誤り、偶然化学兵器工場を発見する。空爆を要請するが、その直前にイラク人の子 供を発見。子供はシール6の姿を見て叫び始める。マックはやむなく少年を撃つ。必死の救命を続けるマックらだが、少年は死んでしまう。事故死した息子と姿 を重ねたマックは少年を丁寧に埋葬する。
 シール6にイラク軍の追っ手が迫る。海岸線 にたどり着き、空爆を要請するが、味方の巻き添えの危険があった。足を撃たれたデイビスらはなんとか海中に潜るが、一人残ったマックは重傷を負っていた。 救難機の捜索が行われたが、なかなか発見されない。マックは海中で息を引き取る。
 マックの妻はちょうどマックと別れた日妊娠 を知った。3年度、3歳になった息子デボンを連れてマックの墓参りに来るのだった。

(2010/05/28)