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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
1945 戦場への橋 ナチス武装戦線  評価★★☆ 橋を守る少年兵の悲劇 名作のリメイク
DIE BRUCKE  /THE BRIDGE
2008
  ドイツ(TVM) 監督:ウォルフガング・パンツァー
出演者: フランカ・ポテンテ、フランソワ・グースケ、ラース・シュタインホーフェル、ロベルト・ホーラーほか
97分 カラー
 
 
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 第二次世界大戦末期のドイツ。召集された若干16歳の7名の少年兵たちが、迫りくる連合軍を相手に橋を死守することとなる悲劇を描いた戦争ヒューマンド ラマ。 1959年に制作された名作映画「橋(1959)」のテレビ版リメイク作。「橋」は混乱した大人の社会に翻弄された重苦しくもつたない少年の命 を描いた、沈痛度では群を抜いた名作だったが、何分古 く、モノクロ映画だったため、カラーでのリメイクには嫌がおうにも期待が膨らむのだった。
 本作は原作の「橋」のストーリーと主な登場人物を基本的に踏襲してはいるものの、より一層数人の少年兵の性格づけに力を入れ、それに絡む人物設定が付加 されている。また、主なエピソードは一致しているものの、細かい契機づけや描写はアレンジされている。概ね8割がた合致したリメイクといった感じか。

 結論から言ってしまうと、期待が過ぎたためか、やや残念な出来と感じた。テレビムービーゆえの限界だったのだろうか、原作のような重厚さとシュールさが 感じられなかった。いや、もともと少年兵の心情と混乱した大人の社会を描いたものであったのだから、もっと違った描き方があったのではないだろうか。そん な風に思わせるほど、心に響く部分のすれ違いがあったのだ。
 本作は数人の少年兵の性格づけに力を入れている。見る側に思い入れを強くさせるには必要な手法ではあるが、本作のような少年兵の儚さを主題に置く場合、 逆にその性格づけが邪魔になった感じがある。むしろ淡々と没個性的に描いた方が、シュールな儚さを表現できたのではないか。
 また細かい部分だが、町や住民の位置関係や戦闘状態の配置が不明瞭で、特に戦闘シーンにおける違和感があったのが残念。橋をめぐる連合軍との激しい銃撃 戦の中、住民たちが橋の両側でごく普通に居住していたり、陣地を構築して防御銃撃している中、脇の橋で工兵が平然と爆破準備しているなど不自然な点が多い のだ。このあたりのリアリティ検証が手抜きされているのはいただけない。
 
 映像はテレビムービーの割に出来がいい。カメラはビデオではなく、映画用カメラを使用したのだろうか、色合いや奥行きなどがしっかりと映し出されてい た。戦闘シーンやや間延びしてだらけた印象もあるが、航空機以外はリアルで、銃弾、爆薬類も十分。先に述べた戦闘配置などがもう少しリアルに描かれていればもっと良かったのだが。
 登場する兵器類では米軍戦車としてスイス製のPz61戦車とカナダ製のグリズリー巡航戦車がそのまま登場するほか、アメリカ製M16自走四連装重機関銃 が出てくる。ロケ地はラトビアということなので、こうした外国製兵器を所有していたのだろうか。対するドイツ少年兵たちは機関銃と小銃、対戦車パンツァー ファウストで対抗する。

 全般に名作「橋」のリメイクを意図したにしては、やや格落ちの感は否めないが、「橋」のもう一つの見方という点では楽しめた作品でもあった。

興奮度★★
沈痛度★★★★

爽快度★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  ドイツのある町に都市部からの避難民を乗せたトラックが到着する。彼らは連合軍の爆撃で家を失った避難民で、町の各家に居候することとなる。その中に、6 年生のアルベルト・ムッツがおり、同年の女の子パウラの家に居候するととなる。学校の同級生には党幹部(大佐)を父に持つヴァルターがおり、彼は学校の女 教師バウアーと肉体関係を持つ。
 学校では国防軍負傷者収容のため体育館が使 用され、臨戦態勢が顕著になっていく。パウラはプールで抱き合う女教師とヴァルターの姿を目撃してしまう。ヴァルターは父の権威をかさに悪事を働き、ムッ ツを無理に誘って近所の農家で子豚を盗む。だが、女教師との関係が警察にばれ、ヴァルターは警察で事情聴取を受けるも、父により解放。女教師は退職のうえ 強制収容所送りされることに。
 いよいよ戦局が悪化し、学校では16歳以上 の少年に入隊志願が言い渡される。ヴァルター、ムッツらは喜んで志願し、16歳に満たない少年ジギーも志願する。学校からは7名の少年が国防軍に編入され ることに。ただ、ヴァルターの父フォルスト大佐は息子を軍に送りたくないため、青年団への入隊を企図するが、ヴァルターはそれを無視する。ヴァルターはメ イドのハンネを奴隷のように扱う父に反抗心を抱いていたのだ。また、子豚を盗んだ罪がばれ、巡査長に咎められ、ヴァルターは皮肉を言われる。
 軍ではショーベック伍長が指導にあたること に。7名は訓練を受け始めるが、うちナポラ出身で訓練経験のあるエルンストがリーダーとなる。そんな中、ムッツはパウラに会いにキャンプを抜け出そうとす るが、伍長に見つかってしまい引き戻される。そのときいよいよ米軍の最終配備が完了したの情報が入り、全軍出動となる。だが、指揮官の中尉は少年兵を実戦 から逃がしてやるため、伍長に少年兵等を後方に移動させ家に帰すよう命じる。
 伍長は少年兵を橋の警備に当たらせる。だ が、伍長は大きなリュックを背負い、その場を離れる。彼は逃亡を画策しており、民間人の服を着たところで武装警察によって射殺されてしまう。命令や指揮が ないまま少年等は橋に佇んでいるが、そのとき米軍機が飛来銃撃を受ける。ジギーは恐怖で地面に這いつくばってしまい、ヴァルターらの失笑を買う。次に米軍 機が爆弾を投下したとき、ジギーだけが直立したままでいたため、ジギーは破片を受けて戦死する。友人の死に動揺した彼らだが、むしろ怒りで戦うことを決意 し、賢いムッツをリーダーにする。
 橋には負傷し退却する国防軍兵士が次々に通 り過ぎていく。だが、誰も何も言わない。そしてドイツ軍将軍が通りかかると、将軍は少年等に橋の死守防御を命じる。少年等は将軍に言われたとおり陣地を構 え防御体制に入る。機関銃を入手するため司令部に行くが、そこはもぬけの殻となっていた。
 女教師は巡査長の尋問を受けていたが、隙を 見て逃亡。その際にフォルスト大佐のユダヤ人アウシュヴィッツ送りの悪事ファイルをみつけて持ち出し、フォルスト大佐を脅す。ファイルが米軍に渡れば戦犯 になるからだ。女教師はフォルスト大佐に少年等の除隊帰還を命じるよう頼むが、少年等はフォルスト大佐も女教師の言うことも聞かなかった。
 ついに連合軍がやってくる。ヴァルターは戦 車に対戦車ロケットを発射し撃破。激しい銃撃戦が始まる。一方橋には工兵隊が到着し爆破準備にかかる。将軍は橋を爆破するため少年等に時間稼ぎをさせよう としていたのだ。次の戦車が到着しヴァルターは勇敢にそれを撃破する。家に逃げ込んだヴァルターはそこで米兵と出会うが、格闘するも止めを刺すことなく逃 げ戻る。
 女教師はこんどは巡査長に少年等の戦闘をや めさせるよう頼むがこれも失敗する。米兵が侵入した家にはパウラがおり、パウラは彼らは少年だと言う。米軍指揮官は戦闘をやめ、兵のローゼンバイクに少年 等の説得に向わせる。だが、少年らは彼を銃撃し、再び戦闘が再開してしまう。木の上に陣取った狙撃手ユルゲンは米軍の指揮官である軍曹を射殺。米軍は撤退 を始める。だが、そのユルゲンも撃たれて木から落下。ムッツが助けに行くがユルゲンは死亡。ムッツも腕を撃たれる。さらに機関銃座にいたクラウスも戦死。 恐怖におかしくなったカールも撃たれて死亡する。
 残った3人はなんとか夜を過ごすが、朝にな ると米軍の姿はいなくなっていた。3人はいったん戦列を離れようとするが、その際にエルンストがパンツァーファウストを触って暴発させて死亡。ムッツと ヴァルターは二人で橋に行くとそこには爆破しようとする工兵隊がいた。二人は仲間が死を持って守った橋を爆破することが許せず、銃で脅して工兵隊を帰還さ せる。その時に工兵隊に撃たれてヴァルターが死亡。残されたムッツは放心状態で橋に佇む。そこに女教師バウアーがやってきてヴァルターの遺体を見つける。 その脇を米軍車両が次々と通り過ぎていく。ムッツはパウラの姿を見つけ抱き合うのだった。 

(2010/12/16)