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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
エネミーズ・ゾーン  評価★★ ファルージャに潜入するドイツ人ジャーナリスト
CEASEFIRE/WAFFENSTILLSTAND
2009
  ドイツ 監督:ランスロ・フォン・ナッソ
出演者: マックス・フォン・プーフェンドルフ、テクラ・ルーテン、マティアス・ハービッヒほか
99分 カラー
 
 
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 イラク戦争におけるバグダッド陥落後の2004年、米軍による誤爆で民間人殺害が起きているファルージャに、ドイツ人ジャーナリストと、アメリカ人女性 医師が潜入するサスペンス風ヒューマンドラマ。いかにもドイツ映画らしいのっぺりとした出来具合で、いわゆる米軍のファルージャ誤爆、民間人殺害事件を題 材にした社会派ドラマを企図したと思われるのだが、出来具合はあまり良くない。正義感や人情が空虚に空回りし、薄っぺらいヒューマンドラマなので、むしろ サスペンス的に見た方がましかもしれない。

 米軍によるファルージャ誤爆、民間人殺害事件は、マスコミによって米軍の失態が暴露されたが、その間ファルージャはイスラム武装勢力の支配下となる。民 間人負傷者が続出するファルージャに医薬品を届けようとする女性医師とファルージャの実態をスクープしたいドイツ人ジャーナリストが危険を顧みずファルー ジャに潜入するのだが、いま一つ主題が見えてこない。米軍批判なのか、ジャーナリストの活躍なのか、女性医師の博愛なのかが中途半端に描かれ、互いの印象 を消しあってしまい、映画に重みがない。
 さらに、何よりも設定や状況描写が適当で、リアリティが感じられないのもいただけない。登場人物それぞれの立場やここに至るまでの背景がよくわからない ので、思い入れができないし、行動を起こすための契機も理解しがたい。アメリカ人女性医師が危険を冒してまでファルージャに薬を届けたい気持ちはわかる が、彼女の選択した手段はあまりに無謀すぎる。また、ドイツ人ジャーナリストもあまりに無謀で、本当に無知蒙昧としか印象が残らない。ひどい事態に巻き込 まれるのも自業自得としか思えないし、スクープのために手段を選らばない姿はまさにマスコミの傲慢さを露呈するのみ。確かに民間人を救おうとするシーンも あることはあるのだが、それ以上にマスコミのエゴが出すぎていて、不快感の方が強い。結局この映画は何を言いたかったのだろうか、と見終わった後にすっき り感がない。

 ロケはドイツとモロッコだそうだ。イラク市街地はたぶんモロッコロケだろうが、まあまあの雰囲気をだしている。ただ、武装勢力との銃撃戦シーンはあまり 迫力がなく、米軍も含めてエキストラ数が少なく、ややしょぼい印象。また、一行の乗ったバンが武装勢力の銃弾でハチの巣になるのだが、負傷者がほとんど出 ないというのも違和感あり。当然兵器類は銃器以外は皆無だ。

 全般に面白みもインパクトも、そして社会風刺性もない、のっぺりとした映画であった。従って、見終わった後の感動も爽快感もないし、得るものもない。ま あ、イラク国内では実際にこうしたジャーナリストたちが活動し、人質になったり殺害されたりしているので、彼らの活動の一端を垣間見るという点では興味深 いとも言えるのだが。

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 2003年4月バグダッドが陥落し、3週間 後ファルージャで米軍がデモ隊に発砲し、女性や子供を含む15人が死亡。その後ファルージャはスンニ派の支配下となり、2004年3月には4人の米民間人 が射殺され遺体が吊るされる事件が世界に発信される。
 4月に入り、米軍はテロ組織掃討戦を開始す るが、戦闘により多くの民間人の命が失われていく。イラク人でファルージャに病院を持つアラン医師と米人女性医師キムはファルージャに医薬品を届けようと 試みる。だが、ファルージャはテロ組織の支配下で危険極まりない前線だった。米軍は許可を出さないが、キムはひそかに朝5時まで停戦協定が結ばれたことを 知り、勝手にファルージャへ潜入することを決意する。その際に知り合いのドイツ人ジャーナリストのオリバーを誘い、オリバーは特ダネを得るために、乗り気 でないカメラマンのラルフを無理に誘って便乗する。
 一行はイラク人運転手フサンの運転するバン に乗ってファルージャへ移動する。正式な通行許可を得ていないため、高速を避け下道を走っていく。片道80kmもあり急がなければ朝までに帰ってこれな い。途中でラルフは狙撃兵の姿を見て恐れ、羊の群れを強引に突っ込ませる。そのため車の調子がおかしくなり、途中のガソリンスタンドに寄る。そこには避難 したイラク人が多数おり、オリバーらは撮影を開始するが、気のたったイラク人たちは撮影料を要求する。また、途中から後ろを謎の車に追跡される。危険を感 じた一行だが、米軍の検問所にたどり着き助かる。検問所はメイベリー准尉が指揮官だが、許可証を持たない一行に、行くのは勝手だが、我々は自分たちで手 いっぱいであり、助ける余裕はないと通告する。これを聞き、ラルフは行くのをやめようというが、キムらは強行する。
 夜になり、案内役のサイードの車と合流。だ が、市街地で一行の車はテロ組織の銃撃を受ける。車は被弾し、オリバーは足を撃たれる。逃げ込んだ民家でオリバーの手当てをし、車の修理をしようとするが なかなかうまくいかない。オリバーが隣の民家へ行くとそこには銃を持った男がいた。男の息子は武装勢力に参加していたが、修理を手伝ってくれ、修理が完了 する。だが、男とフサムは車でいなくなってしまう。逃げたと感じたオリバーらは徒歩でアランの病院に行くことを決意。夜間外出禁止令の出ている夜を歩きは じめるが、そこにフサムらが戻ってくる。フサムの従妹を連れにいっただけだった。一行はアランの病院に到着する。だがそこは爆破され、残っていた医師も死 亡したり重傷となっていた。米軍の爆撃により被害を受けたのだった。医薬品を運び込んだアランは治療を開始し、キムに危険なので早く戻れと言う。キムは子 供や重症患者を車に乗せてバグダッドに戻ることを決意。オリバーもその手助けをし、その間ラルフが怪我をした医師エリックに起こった出来事を取材する。
 車に負傷者を乗せて帰路につく。だが、途中 で武装組織に出会い、銃を向けられる。ラルフの機転で武装勢力からなんとか逃げるが、その際にラルフが撃たれて死亡してしまう。バグダッドについたオリ バーは落胆にくれる。ラルフが最後にとった取材ビデオだけが残されたのだった。

(2010/11/14)