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戦争映画の一方的評論
 
「英空軍のアメリカ人 評価★★★ イギリス空軍に志願した米人 のロマンス 
A YANK IN THE R.A.F.
 1941 アメリカ 監督:ヘンリー・キング
出演:タイロン・パワー、ベティ・グレイブル、ジョン・サットンほか
98分 モノクロ

 1935年に成立したアメリカ中立法のために、対ドイツ戦線に公式に参戦する事ができないアメリカ人パイロットが、金と色恋のために英空 軍に志願して戦うという映画だが、戦記物というよりは、コメディタッチのラブロマンスの色合いがずっと強い映画である。
 監督は、後の名作「頭上の敵機」のヘン リー・キング。彼特有の、コンパクトでわかりやすいストーリー展開と、いかにもアメリカらしい明け透けでストレー トな恋愛描写が光る。今では、ストーカーか、セクハラで訴えられそうなほど、強引で熱烈な恋愛場面は、さすがに見るに堪えない部分もあるが、後まで尾を引 かない小気味良いテンポで救われる。
 映画は、中立法や中立宣言(1939)がなされている時分から、1940年6月のダンケルク撤退までを描いているのだが、製作が1941年であり、よう やくルーズベルトの武器貸与法(1941年3月)が制定される頃という事を考えると、対独に対する考え方や世論を知る上でも興味深い。この製作の年末12 月に日本軍の真珠湾攻撃があるのだ。
 演じる役者陣も華やかだ。二枚目の主人公役タイロン・パワーの限りないお調子者ぶりも存在感があるが、ヒロイン役のベティ・グレイブルのダンスシーンや お色気ぶりも見物である。
 戦闘映像は、実写の航空機と模型を用いた特撮の両方が見られる。実機では、ロッキードハドソン哨戒爆撃機とスピットファイア戦闘機が地上及び飛行シーン で幾度も登場する。スピットファイアは全てMK.I又はIIで、部隊記号には「LO(第602飛行隊 City of Glasgow)」「SH(第64飛行隊)」が見える。飛行シーンは実写記録の流用かも知れない。模型の特撮は、あまり上手とは言えず、特にダンケルク撤 退シーンのドイツ軍機との空中戦シー ンは、画面中に戦闘機がやたらめったら飛び交う大混雑ぶりだ。また、主人公が操縦するスピットファイアも、見るからにハリボテであるのがわかってしまう。
 ただ、ダンケルク撤退の地上シーンはかなりの緊迫感とリアルさを演出している。この部分だけ、違う映画かと思わせるほど良質の出来と言えよう。 
 また、ベルリン爆撃シーンで主人公がビラの入った箱を投下するシーンがあるのだが、下から照らしている探照灯が(直撃で)消えるあたりは、なかなかユー モアが入っていて楽しい。
 あと、気になったのだが、爆撃機の操縦者である主人公が、突然戦闘機に搭乗して戦闘参加するのだが、そんなことが本当に可能なのだろうか。
 とはいえ、全体に飽きずに、最後まで見ることができ、年代感を感じさせない佳作である。

 スピットファイアについて参考にしたHP
 The Spitfire Homepage and Spitfire Information Resource


興奮度★★
沈痛度★★
爽快度★★★★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 第二次世界大戦初期、アメリカは中立法によって参戦することができなかった。そこで、アメ リカは密かにカナダ国境まで武器を送り、そこか らロープでカナダ国内に運び込むという抜け道を行っていた。
 そんな状況下で、根っからのお調子者のアメリカ人民間パイロット、ティム・ベイカーはカナダ国境を飛び越えて飛行機を空輸してしまう。軍の将校からお目 玉を食らうベイカーだが、その場で爆撃機をイギリス本土に空輸する任務を引き受ける。要は、金がいいからだ。
 イギリスに飛んだベイカーはそこで、かつての恋人ブラウンに出会う。しかし、一年間もほったらかしにしており、ブラウンはお調子者のベイカーに冷たい。 イギリスの救護部隊員として、夜はショーダンサーとして活動するブラウンと再びつきあいたベイカーは、あの手この手で接近を試み、ついに真面目なところを 見せようと、英軍パイ ロットに志願する。その熱意にほだされてブラウンはベイカーとつきあい始める。
 ベイカーは、少尉として任官し、飛行学校に入学する。飛行学校を卒業後、第61飛行中隊に配属になるが、彼の戦闘機希望とは異なり、爆撃部隊であった。 その中隊長モーリー少佐もまた、ベイカーの彼女とは知らずにブラウンと出会い、惹かれていく。
 ベイカーの初出撃はベルリン爆撃だった。爆撃手として搭乗したベイカーは、ビラを撒く任務を言い渡されるが、根っから適当な男のため、箱ごと投下する。
 帰隊したベイカーは、ブラウンと逢う約束を取るが、途中で旧友と会うなどして約束の時間を遙かにオーバーする。ブラウンは、そんなベイカーに嫌気がさ し、急接近してきたモーリーと共に出かけ、モーリーに求婚される。ブラウンに絶交を言い渡されたベイカーは、相手がモーリー少佐と知り、二人は火花を散ら す。
 ついに、ドイツ軍がベルギーに侵攻。ベイカーとモーリーは爆撃任務に赴く。爆撃中モーリー少佐とベイカーの乗った機が被弾する。それを助けようとロ ジャー中尉機が急降下攻撃を加えるが、ロジャー機も被弾墜落してしまう。なんとかドイツ陣地から脱出したモーリー機だが、片肺のためにオランダの砂浜に不 時着を余儀なくされる。モーリー少佐とベイカー少尉、伍長の3人は脱出するが、中立国と思われたオランダにもドイツ兵が進撃してきていた。ドイツ兵に捕ら われた3人は、伍長の捨て身の攻撃でドイツ兵を倒すが、伍長は戦死。モーリーとベイカーは小舟で脱出する。
 脱水症状で意識を失って、病院で目覚めたベイカーは、怪我を装ってブラウンのもとに出かける。しかし、心配した怪我が嘘とわかり、ブラウンは一層ベイ カーを軽蔑するのだった。
 そこに、英軍がダンケルクで追いつめられ、苦戦をしているとの報が入る。急遽戦闘機隊に招集されたベイカーは、第32飛行中隊のスピットファイアに搭乗 して出撃する。ダ ンケルク上空でドイツ軍機を撃墜するベイカーだが、自らも被弾して墜落する。
 英国でベイカー行方不明の報を聞いたブラウンは、我を忘れてベイカーの身を案じる。ダンケルクからの最後の救助船が港に入り、ベイカーを必死に探すブラ ウンの姿に、モーリーは恋愛の負けを認めるのだった。

 (2005/05/12)

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